環境計測装置のさらなる小型化実現に向け指先サイズのUV対応分光器を開発

11月15日よりサンプル受注開始

浜松ホトニクス株式会社

当社は、独自のMEMS技術や光半導体素子の製造技術を応用し、UVに高い感度を持つ小型・低価格の「ミニ分光器マイクロシリーズ C16767MA」を開発しました。
本製品は、190~440nmの範囲の光を複数の波長に分け、それぞれの光の強さを同時に測定可能です。例えば、本製品を組み込んだ小型の水質検査装置を河川・湖・海などに設置することで、吸光光度法を用いて、複数種類の水中の汚染物質の含有量を検査することができます。また、安価な水質検査装置を実現し、多くの測定現場に多数設置し水質をモニタリングすることで、より広い範囲において水質評価の精度を高めることができると期待されます。当社は、本製品の拡販により安全な水の確保や気候変動への対策に貢献します。
本製品は11月15日(水)より、国内外の環境計測装置メーカーに向けサンプル受注を開始します。また、11月16日(木)から3日間、当社が5年ぶりにアクトシティ浜松(浜松市中区)で開催する光の総合展示会「フォトンフェア2023」に出展します。

<製品の概要>

本製品は、UVに対応した指先サイズの分光器です。


当社は、極微量の環境汚染物質の検出が求められる環境計測装置に向け、光検出器や光源を開発・製造・販売しています。例えば、現在、フォトダイオードを用いた小型で安価な水質検査装置を河川や湖、海などの測定現場に多数設置し水質をモニタリングしていますが、検出することができる物質の種類が限られます。UVを複数の波長に分け、それぞれの光の強さを同時に測定することができる大型の分光器を組み込んだ高価な水質検査装置により、複数種類を同時に検出することができますが、サイズが大きく据え置き型が主流であることから試料を分析室に持ち込む必要がありました。このため、市場からは安価で測定現場に多数の設置が可能ながら、複数の有機汚染物質を検出することができる小型で安価な水質検査装置の実現に向け、小型・低価格のUV分光器が求められていました。


当社は、独自のMEMS技術を応用した指先サイズのミニ分光器マイクロシリーズをラインアップしていますが、分光器を構成するイメージセンサにUVが入射すると感度が劣化してしまうため、現在は可視光による分光分析に応用されています。今回、このイメージセンサの受光部の構造を工夫することでUV耐性を高めるとともに、分光器を構成する回折格子の形状をUVに最適化しました。また、独自の光半導体素子の製造技術により、UVの分光時に生じる迷光の入射を抑えるフィルタをイメージセンサ上に形成しました。この結果、高感度・小型・低価格で190~440 nmの波長の光に感度を持つミニ分光器マイクロシリーズの開発に成功しました。

本製品による測定例と比較結果本製品による測定例と比較結果


本製品を組み込んだ小型の水質検査装置を河川・湖・海などに設置することで、吸光光度法を用いて、複数種類の水中の汚染物質の含有量を検査することができます。また、安価な水質検査装置を実現し、多くの測定現場に多数設置し水質をモニタリングすることで、より広い範囲において水質評価の精度を高めることができると期待されます。さらに、測定現場で水質を分析することができる可搬型の水質検査装置への応用も見込まれます。当社は、本製品の拡販により安全な水の確保や気候変動への対策に貢献します。本製品は、有害大気汚染物質の分析やUV-LEDの性能評価、半導体プロセスのモニタリングなどへの応用も期待されます。


本製品を組み込んだ小型で安価な水質検査装置の応用例本製品を組み込んだ小型で安価な水質検査装置の応用例


今後、赤外光に高い感度を持つ小型・低価格のミニ分光器マイクロシリーズの開発を進める予定です。


<製品の主な特長>

1.イメージセンサのUV耐性を向上

従来のミニ分光器マイクロシリーズ向けイメージセンサは、波長200~1000nmの光に感度がありますが、UVの入射により感度が劣化します。河川・湖・海の水に含まれる窒素化合物をはじめとする汚染物質はUVを吸収しやすいことから、今回、UVに対応したミニ分光器マイクロシリーズへの要求に応えるため、イメージセンサの構造を工夫しUV耐性を高めることに成功しました。


2.UV対応の回折格子

回折格子の形状を工夫しUVの分光に最適化しました。また、溝の間隔を約500nmと従来の半分にすることで分解能を高めています。


3.迷光カットフィルタを形成

UVの分光時に生じる迷光のイメージセンサへの入射を抑えるため、独自の光半導体素子の製造技術を応用しイメージセンサ上に窒化シリコンの薄膜を形成しています。


主な仕様主な仕様

●サンプル受注開始日       2023年11月15日(水)

●製品価格(税込)              ミニ分光器マイクロシリーズ「C16767MA」 54,700円

●販売目標台数                      初年度2,000個/年、3年後10,000個/年


ミニ分光器マイクロシリーズ「C16767MA」ミニ分光器マイクロシリーズ「C16767MA」


この件に関するお問い合わせ先

■報道関係の方 浜松ホトニクス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 野末迪隆

〒430-8587 浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル

TEL:053-452-2141 FAX:053-456-7888 E-mail: nozue-m@hq.hpk.co.jp

時間外は、携帯電話080-8262-0374へお願いします

■一般の方 浜松ホトニクス株式会社 固体事業部固体営業推進部 望月亮典

〒435-8558 静岡県浜松市東区市野町1126-1

TEL:053-434-3311 FAX:053-434-5184 E-mail: r-mochizuki@hq.hpk.co.jp

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

浜松ホトニクス株式会社

12フォロワー

RSS
URL
https://www.hamamatsu.com/jp/ja.html
業種
製造業
本社所在地
静岡県浜松市中央区砂山町325-6
電話番号
053-452-2141
代表者名
丸野 正
上場
東証プライム
資本金
350億9500万円
設立
1953年09月