法政大学大学院 森本爽平さん・斎藤詩織さんのグループ作品『茶結の縁側』が第1回金賞に決定
– 学生向け設計・デザインコンテスト「OFFICE DESIGN COMPETITION」-
審査委員を務める五十嵐 久枝 氏(有限会社イガラシデザインスタジオ / 武蔵野美術大学教授)は、「連綿と続く美しい茶畑のイラスト。オフィスが、働く場が、茶畑なのだということに衝撃を受けた。きれいに刈り込まれた茶畑。あの情景に心癒されない人はいないのではなかろうか。その中に『縁側』という木造建築のオアシスなるものを挿入し、茶の木列植ラインと連なる縁側とその屋根から作り出されるオーガニックラインの交差する景色。この風景に目と心を奪われてしまいそうだ。茶づくりを支える重労働とコミュニケーションから自然と相互扶助がはじまることにも納得させられる。美しい風景の中での食を生みつくる営みと人との関わりを結びつけるこの場から、古くて新しい様々な働き方が生まれることを想像させる」と評しました。
なお、応募119件の中から1次審査を経て2次(最終)審査へと進んだ11作品を対象に厳正なる審査を行い、入賞が決定した金・銀・銅・奨励(×2作品)賞の計5作品は、表彰式(11月13日開催)以降、適宜公式サイトにてアーカイブします。
「OFFICE DESIGN COMPETITION ~働く人と働く場所の未来をつくる学生コンペ~」は、設計・デザインを学ぶ学生に、実践対象としてオフィス/ワークプレイス分野について関心・気づきを得るきっかけを作り、企業活動の土台である〈働く環境〉の開発を担う後進の育成を目的に持ちます。当社は本コンテストが今後も設計者・デザイナーを志す学生にとって、社会人が等しく生活の一部とする〈働く〉について考え、各々が自由に設計・デザインした〈働く場所〉を発散する登竜門となることを期待します。
■入賞作品一覧
金 賞 『茶結の縁側』
森本爽平さん・斎藤詩織さん(法政大学大学院 デザイン工学研究科 建築学専攻)
銀 賞 『おつかれさん ー未来のまちに愛着を育むー』
田村靜さん・川嶋菜々さん・神薗穂香さん(武蔵野美術大学 造形学部 空間演出デザイン学科)
銅 賞 『リノベ大学群』
神田晋大朗さん(京都大学大学院 工学研究科 建築学専攻)
奨 励 賞 『まもなく、オフィスが参ります』
喜井雅治さん(東京都市大学 建築都市デザイン学部 建築学科)
奨 励 賞 『解体新処 ー生き残る闇市 鶴橋商店街に纏うコワーキングスペースの提案ー』
大竹平さん(京都大学大学院 工学研究科 建築学専攻)
■審査員総評(抜粋)
【有限会社イガラシデザインスタジオ / 武蔵野美術大学教授 五十嵐 久枝 氏】
働くことは生きることに直結するとも言えると思うが、応募者の方々はオフィスから飛び出した方がより良い働く場所に辿り着ける、働くことができると考えている様に見えたことが率直に良いことだと感じた。働くことは気持ちよく面白いことであって欲しい。その願望を見せてくれた視点と発想の意外性に何度も驚かされるとても愉快な審査だった。ローカルをテーマにすることで、地方からの応募数も増え、地元近隣ゆえに知るその土地の情報と遺したい魅力について知ることに繋がったと感じる。
【成瀬・猪熊建築設計事務所 / 芝浦工業大学准教授 猪熊 純 氏】
第1回でありながら、とても多様な案が寄せられ、興味深く拝見。レベルの高いものも多く見られ、審査も難航した。賞に残ったものはもちろんのこと、残らなかったものも、コンセプトが面白いもの、グラフィックが美しいものが複数あった一方、仕組みについては、もう少し丁寧に思考したものがあると良いと思う。大変良いコンペのため、ぜひ来年もあって欲しいと思うが、挑戦する人は、その点についてもよく考えてみて欲しい。
【株式会社商店建築社 月刊商店建築 編集長 塩田 健一】
第1回目の開催であったにもかかわらず、多くの方々からハイレベルな応募作が集まった。審査員4人で長時間議論したほどだ。その結果、既視感のない新しい提案を模索し、さらに審査員すらも巻き込んでいく、発展性のあるプラットフォームのような応募作が受賞作として選ばれた。また、社会的課題への解決策を盛り込むなど、地域社会や地球環境といった第三項への恩恵を考慮した応募作も、審査員の目に留まったと感じる。次回以降もそうしたテーマを取り込んだ案に出会えることを楽しみにしている。
【株式会社フロンティアコンサルティング 執行役員 デザイン部 部長 稲田 晋司】
事前に設定されたテーマがありながらも、自由な発想で描かれた働き方や、それを実践すべく計画された空間は、いずれも魅力的に映った。参加者それぞれが持つ社会への課題感や、自らの生活環境から着想を得たアイデアは、本制作だけに留まらず、今後の設計活動や社会との接点を育むものになれば嬉しい。都市を舞台にした作品と比べ、地方や郊外をフィールドとした作品が多かったことからは、立地による企画やテーマ実現の難易度が伺え、他作品との差別化や挑戦といった観点で発展の余地があると感じた。
■「OFFICE DESIGN COMPETITION」第1回概要
テ ー マ Local Knowledge 〜都市と地方をつなぐ、知の交わり〜
審 査 員 五十嵐 久枝 氏(イガラシデザインスタジオ/武蔵野美術大学教授)
猪熊 純 氏(成瀬・猪熊建築設計事務所/芝浦工業大学准教授)
塩田 健一(商店建築社 月刊商店建築 編集長)
稲田 晋司(当社 執行役員 デザイン部 部長)
募 集 2023年6月1日から8月31日まで
各 賞 金 賞(正賞、副賞50万円)
銀 賞(正賞、副賞30万円)
銅 賞(正賞、副賞10万円)
奨励賞(正賞のみ)*2作品
公式サイト https://office-design-competition.com
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