【VEXロボティクス】VIQRC 第3回 ジャパンカップ 開催報告
5ヶ国から32チームが集結 児童・生徒たちは翻訳アプリを片手に他国の子供達と戦略を練るなど テクノロジーを通じた新しい国際交流を実現
本ロボティクス競技会は、次世代教育を司るSTEM教育の実践として位置付けられ、科学的思考、技術的スキル、エンジニアリングの原則、数学的理解等を総合的に向上させることを目的とし、未来社会への適応力の育成を図ります。
VIQRCジャパンカップは、2019年3月に第1回目を渋谷ヒカリエで開催後、パンデミックを経て2023年3月にTokyo Global Gatewayで第2回目を開催。そして第3回目は、2024年3月に
昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校で開催することができました。
◼️開催概要
第3回目となるVIQRCジャパンカップは、小学生部門と中学生部門の混合開催となりました。
募集は9ヶ月前の2023年7月より開始し、昨年のジャパンカップを大きく超える32チームが参加いたしました。そのうち、小学生チームが15チーム、中学生チームが17チームで、米国から9チーム、香港から7チーム、ベトナムから3チーム、タイから1チーム、そして日本からは10チームの参加があり、総勢で132人の児童・生徒が一堂に会しました。
特に目を引いたのは、女子の参加者数が男子の参加者数を上回ったことです。男子だけで結成されたチームが13チーム、女子だけで結成されたチームが6チーム、そして男女混合チームが13チームでした。一般的に「ロボコン=男子向けの競技」という印象がある中、世界中でジェンダーフリーを求めた活動により、STEMへの参加が男女平等になりつつあります。RECファウンデーションは、2018年から【Girls Powered】という活動を積極的に展開し、STEM教育を通じて科学・技術・工学・数学の分野で自信を持ち、競技会に参加する機会を増やしています。
2019年に開催された第一回ジャパンカップにもボランティアとして参加した文部科学省所管の自然科学研究機構の職員からも「今シーズンは女子の参加が多かっただけではなく、参加している女子の意気込みや自信が5年前とは全く違う」とコメントをくださいました。また今回のホストでもある昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校の真下校長からも「女子の参加が多く驚きましたし、多くの女子がSTEMに関心を持っていることに大変嬉しく思います。本校で開催していただいた意義が大いにありました」とコメントをいただきました。
世界的にVEXロボティクス競技会は、4月末に世界大会が開催されるため、3月上旬には世界大会予選が終了し、新学期が始まる9月までスローシーズンに入ります。しかし、弊会では、この時期に子供たちのSTEMの関心と意欲を維持させる機会を与えること重要だと考えています。
弊会の長期的な目的は、国内からできるだけ多くの問題解決者、グローバルリーダー、そしてイノベーターを育成することです。そのために、今後もVEXロボティクス競技会を運営し続けます。
最後に、このロボティクス競技会の趣旨に賛同していただいた47人のボランティアが、60種類の業務を遂行してくださいました。また、スポンサー各位からはシーズンを通じてご支援をいただき、おかげさまでこの競技会を開催することができました。心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
◼️受賞内容
VEXロボティクス競技会には、パフォーマンスアワードとジャッジドアワードの2種類があります。パフォーマンスアワードは、チームワークチャレンジおよびロボットスキルチャレンジのパフォーマンスに基づいて順位が決定されますが、ジャッジドアワードは、RECファウンデーションの厳格な評価基準に基づき、ジャッジによって選出された受賞チームに与えられます。本競技会では、以下のパフォーマンスアワードに加えて、様々なジャッジドアワードが授与されました。
パフォーマンスアワード:
<チームワーク チャレンジ チャンピオン>
チームワークチャレンジで最も効果的な連携を示し、高得点を獲得した優勝チーム2チームに授与されます。
<ロボット スキルス チャンピオン>
小学生チームと中学生チームのロボットスキルスチャレンジで、最も高得点を獲得したチームに授与されます。
ジャッジドアワード:
<エクセレンス アワード>
VEXロボティクス競技会で最も栄誉ある賞であり、技術的な成果だけでなく、チームワーク、エチケット、ロボットの設計やプログラミング、戦略など、デザインプロセス全般にフォーカスし、シーズン中の活動内容を総合的に評価し、最高評価を得たチームに授与されます。
<デザイン アワード>
ロボットの設計やプログラミング、戦略などにおいてデザインプロセスを巧みに使用し、優れた成果を上げたチームに授与されます。
<ジャッジ アワード>
本競技会に参加したチームの中から、デザインプロセスに関係なく、インタビューにより優秀なチームを選出し授与されます。
<エナジー アワード>
イベント全体を通じて、熱意とやる気に満ちたチームに授与されます。
<スポーツマンシップ アワード>
競技会場で礼儀正しく、全ての他のチームに対しても協力的であり、敬意を示して参加しているチームに与えられます。
<ビルド アワード>
細部にこだわり、戦略的で優れたロボットを構築したチームに与えられます。
<シンク アワード>
競技で高得点を得るために、コーディング技術やプログラミング設計を最も効果的に発揮したチームに与えられます。
<アメイズ アワード>
高性能なロボットを構築したチームに授与されます。
<インスパイヤー アワード>
競技への情熱とポジティブな態度を評価されるチームに授与されます。
<ボランティア オブ ザ イヤー アワード>
積極的に携わったボランティアに授与されます。
<パートナー オブ ザ イヤー アワード>
運営サイドのパートナーとして全面的にサポートをしていただいたスポンサーに送られます。
◼️受賞チーム
パフォーマンスアワード:
<チームワーク チャレンジ チャンピオン>
43110A Kalama Robotics / Samuel Enoka Kalama Intermediate School / USA
4815A CPC Robotics A / WEO Chang Pui Chung Memorial School / Hong Kong
<チームワーク チャレンジ 2位>
12184E FschoolCG San Hô Trắng / STEAM for Vietnam Foundation / Vietnam
13205B TCCS B Team / Tung Chung Catholic School / Hong Kong
<チームワーク チャレンジ 3位>
5457A From Zero / Garage Team / Japan
73325A Miyakami VEX Club / Miyakami VEX Club / Japan
<ロボット スキルス チャンピオン>
43110A Kalama Robotics / Samuel Enoka Kalama Intermediate School / USA
<ロボット スキルス 2位>
5457A From Zero / Garage Team / Japan
<ロボット スキルス 3位>
13205B TCCS B Team / Tung Chung Catholic School / Hong Kong
ジャッジドアワード:
<エクセレンス アワード>
43110A Kalama Robotics / Samuel Enoka Kalama Intermediate School / USA
<デザイン アワード>
38501A Titans / Waiakea Intermediate School / USA
<ジャッジ アワード>
3367B Echo's / Otsuma Junior High School / Japan
<エナジー アワード>
8215A Ka'ōhao Iwotics / Ka'Ohao Public Charter School / USA
<スポーツマンシップ アワード>
587W Hilo Intermediate Robotics / Hilo Intermediate School / USA
<ビルド アワード>
9852B Vajiravudh College / All Wellness Company Ltd / Thailand
<シンク アワード>
73325B Peppoooo Paradise / Miyakami VEX Club / Japan
<アメイズ アワード>
5457A From Zero / Garage Team / Japan
<インスパイヤー アワード>
10704A Pukalani STEM Imagineers / Pukalani Elementary school / USA
<ボランティア オブ ザ イヤー アワード>
Eric Teshima
Noriko Tsuchiya
Mahoko Sumitomo
<パートナー オブ ザ イヤー アワード>
昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校
◼️参加チーム(チーム番号 / チーム名 / 所属 / 所在地)
587W Hilo Intermediate Robotics / HILO INTERMEDIATE SCHOOL / Hilo, Hawaii, United States
670A Bamboo / DOHSCHOOL / Tokyo, Japan
670B SUSHI / DOHSCHOOL / Tokyo, Japan
2437A Lancer Robotics / Sacred Hearts Academy / Honolulu, Hawaii, United States
2547A MT5 / Showa Elementary School / Tokyo, Japan
3367B Echo's / Otsuma Junior High School / Tokyo, Japan
4815A CPC Robotics A / WEO Chang Pui Chung Memorial School / New Territories, Hong Kong
4815B CPC Robotics B / WEO Chang Pui Chung Memorial School / New Territories, Hong Kong
5457A From Zero / Garage Team / Tokyo, Japan
8215A Ka'ōhao Iwotics / Ka’ohao Public Charter School / Kailua, Hawaii, United States
8215B Ka'ōhao Iwotics / Ka’ohao Public Charter School / Kailua, Hawaii, United States
8215C Ka'ōhao Iwotics / Ka’ohao Public Charter School / Kailua, Hawaii, United States
9619A Ivycrorette / Showa Women's University Junior-Senior High school / Tokyo, Japan
9852B Vajiravudh College / All Wellness Company Limited / Bangkok, Thailand
10704A Pukalani STEM Imagineers / Pukalani Elementary School / Makawao, Hawaii, United States
10704B Pukalani STEM Imagineers Team B / Pukalani Elementary School / Makawao, Hawaii, United States
10863A Team1 / JSTEA / New Territories, Hong Kong
10863B Team2 / JSTEA / New Territories, Hong Kong
10863C JSTEA / Hong Kong Joint School Technology Education Association / Kwai Chung, Hong Kong
12184E FschoolCG San Hô Trắng / STEAM for Vietnam Foundation / Hanoi, Vietnam
12184V FschoolBG.X-Men / STEAM for Vietnam Foundation / Hanoi, Vietnam
13205A TCCS A Team / Tung Chung Catholic School / Islands District, Hong Kong
13205B TCCS B Team / Tung Chung Catholic School / Islands District, Hong Kong
23418C RedBisons Adventure / RedBisons / Tokyo, Japan
23418D RedBisons GO / RedBisons / Tokyo, Japan
25812R FSchoolCG / STEAM for Vietnam Foundation / Hanoi, Vietnam
38501A Titans Waiakea IntermediateSchool / Hawaii, United States
43110A Kalama Robotics / Samuel Enoka Kalama Intermediate School / USA
73325A Miyakami VEX Club / Miyakami VEX Club / Tokyo, Japan
73325B Peppoooo Paradise / Miyakami VEX Club / Tokyo, Japan
84522B Robokids 2 TGG School by LCA Koto City, Japan
84522C Robokids 3 TGG School by LCA Koto City, Japan
■VEXロボティクス競技会概要
RECファウンデーション(ロボティクス・エジュケーション・アンド・コンペティション財団)が開催するロボティクス競技会には、小・中学生を対象とした【VIQRC(VEX IQ ロボティクス コンペティション)】と、中学・高校生を対象にした【VRC(VEX ロボティクス コンペティション)】、そして大学生を対象にした【VEX U】があります。
毎年、4月下旬から5月上旬にかけてアメリカで世界大会が開催されており、2023-2024シーズンは4月25日から5月3日に開催予定です。世界中より2,400チームが集結し、日本からは4チームが参加予定です。そして世界大会の最終日には、新たなシーズンの競技テーマが発表され、世界同時に新しいシーズンが開幕します。現在、70カ国以上で110万人以上が参加していると言われており、世界で年間2,600以上の競技会やワークショップが登録され開催されています。また競技会に参加する人数の多さは、2016年、2018年、2021年に、ギネス記録として認定されています。
■競技内容
2023-2024シーズンのVIQRCの競技テーマは、「FULL VOLUME」です。合計で73個のブロックをゴールにスコアして、アライアンス(提携パートナー)と協力し、できるだけ多くのポイントを獲得することが目的です。
競技は大きく分けて「チームワークチャレンジ」と「ロボットスキルチャレンジ」の2種類に分類されています。「チームワークチャレンジ」は、ランダムで選ばれた4〜6の別のアライアンスチームと協力して、2チームで高得点獲得を目指します。また「ロボットスキルスチャレンジ」は、個々のチームのロボットの実力を競いますが、更にリモコンを使用して操作性を競う「ドライビングスキルスマッチ」と、自律走行の技術を競う「プログラミングスキルスマッチ」の2種類があり、各マッチの最高得点をもとに勝敗が決まります。全て60秒間の競技時間が設けられています。
◼️特別協賛
昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校
◼️協賛
川崎重工業株式会社
株式会社映像センター
株式会社パワープロジェクト
ASUS Japan 株式会社
GMOメディア株式会社
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