10億米ドルを超える災害の件数が、2023年に過去最高を記録:エーオンレポート
・保険損害は1,180億米ドルで、プロテクションギャップは69%となっている
・災害による死亡者は95,000人で、2010年以来最悪の年となった
注)このリリースは、Aon plcが英国(ロンドン)の現地時間2024年1月23日に発表したプレスリリースを日本の報道 機関向けに翻訳したものです。英文プレスリリースは、こちら(https://aon.mediaroom.com/2024-01-23-Number-of-Billion-Dollar-Disasters-in-2023-Highest-on-Record-Aon-Report)をご参照ください。なお、本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英文プレスリリースを優先します。
2024年1月23日 -- 幅広く専門的なソリューションを提供するリーディングカンパニーのAon plc(https://www.aon.com/en/ ) (NYSE: AON) は、本日、気候と大規模自然災害レポート2024(https://assets.aon.com/-/media/files/aon/reports/2024/climate-and-catastrophe-insights-report.pdf )(2024 Climate and Catastrophe Insight report)を発行しました。本レポートは、ボラティリティを抑制し、幅広くレジリエンスを高めるための価値ある決断をサポートすることを目的として、世界の自然災害と気候変化のトレンドを分析しています。
レポートは、2023年には世界で398件の大規模自然災害が発生し、3,800億米ドルの経済損失をもたらしたことを示しています(2022年実績は3,550億米ドル)。これは、21世紀の平均値を22%上回るものであり、甚大な地震と米国やヨーロッパにおける過酷な対流性ストーム(SCS)が大きく影響しています。
2023年の世界の保険損害は21世紀の平均値を31%上回り、4年連続で1,000億米ドルを超えました。保険損害は1,180億ドル(2022年は1,510億ドル)で経済損失の31%となっており、「プロテクションギャップ」は69%に上っています(2022年は58%)。これは、保険カバーの普及拡大が急務であることを示しています。
2023年の自然災害に関しては1件当たりの規模が大きな災害の件数が過去最高レベルに達し、10億米ドルを超える経済損失が66件、10億米ドルを超える保険損害が37件となりました。経済損失が最も大きかった災害は地震ですが、保険損害が最も大きかった災害は対流性ストームです。天候に関連する保険損害は、ニュージーランド、イタリア、ギリシャ、スロベニア、クロアチアにおいて過去最高を記録しました。
レポートはまた、2023年には大規模自然災害により、世界で95,000人が命を失ったことを伝えています。2010年以降で最多であり、その多くが地震と熱波によるものでした。気候変動の観点からは、2023年は「前例のない異常気温」の年であり、観測史上最も暑い年となりました。世界の24の国や地域で過去最高気温が観測されました。
エーオンのCEOを務めるグレッグ ケースは、「ボラティリティとコンプレキシティ(複雑性)が急速に拡大している今は、企業や組織がこのレポートで取り上げた気候リスクやキャタストロフリスクに対してレジリエンスを強化する大きなチャンスでもあります。官民両セクターとの緊密な連携を通して、エーオンはイノベーションを加速し、十分な対応ができていないコミュニティのプロテクションを改善し、異常気象がもたらす経済的インパクトを緩和できるよう取り組んでおり、こうした取り組みが世界中の企業やコミュニティにより持続可能な成果をもたらすことを目指しています。」と述べています。
リスクキャピタル部門と再保険部門のCEOを兼務するアンディ マーセルはさらに、「このレポートが明らかにしているのは、企業や組織(保険会社から建設、農業、不動産など特に大きな影響を受けるセクターに至るまで)が、気候のトレンドを分析し、リスクを軽減し、自らの従業員を守るためには、将来のリスクも含めた予測診断の技術(フォワードルッキング ダイアグノスティックス)を利用すべきということです。企業のリスク管理者は、進化を続ける先進的なツールを利用しアナリティクス技術を活用することで、資本を有効活用したより適切な選択を行うことができるようになります。保険会社も同様に、自らの引受地域内のコミュニティの財務レジリエンスの強化に向け、新しくより適切な商品の提供によってプロテクションギャップの縮小をはかるなど重要な役割を果たすことが可能になります。」と述べています。
地球温暖化の抑制に向けて、投資家は気候変動を次の3つの視点からとらえることができます。財務リスクから自らのポートフォリオを守ること、気候変動に向けたソリューションの成長機会から利益を得ること、そして気候変動に向けてポジティブなインパクトを与え、ネットゼロに向けて動く世界の中で自らの役割を果たすにはどうすべきかを考え決断することです。
エーオンでキャタストロフ インサイトのヘッドを務めるミハエル ロリンクは、「このレポートは、災害に際して露呈する脆弱性がそれぞれのコミュニティによって、いかに異なるのかを示しています。たとえば、2023年の地震では、アンダーインシュアランス(保険カバーの不足)の問題と、規制及び建築基準の確実な遵守の重要性が浮き彫りになりました。さらに、リビアやインドで多くの犠牲者を出した洪水ではインフラの適切なメンテナンスが重要であること、ハワイの山火事では信頼性の高い警報システムや予報体制が必須であることが明確となったのです。」と語っています。
2023年の世界の経済損失トップ10
気候と大規模自然災害レポート2024(2024 Climate and Catastrophe Insight report)は、下記よりご覧いただけます。
https://aon.io/2024-cci-report
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