平田哲朗個展「芸術か科学か」 開催のお知らせ
この度、3331 Arts Chiyodaでは2022年10月13日(木)ー10月17日(月)の会期にて、2022年に逝去した平田哲朗の個展「芸術か科学か」を平田哲朗展実行委員会との共催にて開催致します。2022年に逝去した平田哲朗の残した膨大な作品群はほぼ未発表作で、本展が初の大規模な個展かつ東京での初公開となります。当初、小規模な遺作展を考えていた実行委員会メンバーでしたが、その圧倒的な物量をお見せするため、急遽3331のメインギャラリーでの開催を決定いたしました。会期中は、関連企画として科学、芸術の両面から、平田作品を読み解くトークイベントを行います。5日間という短い会期ですが、ぜひご高覧ください。
平田哲朗個展「芸術か科学か」開催概要
展覧会名:平田哲朗個展「芸術か科学か」
会期:2022年10月13日(木)–10月17日(月)
時間:11:00-20:00(最終日は 18:00 まで) 会期中無休
会場:3331 Arts Chiyoda メインギャラリー(1F)
料金:入場無料
主催:平田哲朗展実行委員会
共催:3331 Arts Chiyoda
協力:氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣
[平田哲朗展実行委員会]
平田淑江、平田柳、伊藤敦、大西正紀、小川佳夫、小沢剛、小沢歩実、角田俊也、中村政人、福濱美志保、福濱嘉宏、藤浩志、松橋睦生、三輪ゆうこ、鎧高由紀子
【展覧会について】
富山県氷見市で地域型アートプロジェクト「氷見クリック」や「ヒミング」を主催していた平田哲朗が、大量の作品?研究物? 構造体を遺し急逝しました。
東京藝術大学在学中より、構造的で生命の本質に迫るような絵画を描いていた平田は、バックミンスター・フラーのフラードームの構造体への興味を入り口として多面体のさまざまな展開に関心を持ち、この15年ぐらいほとんど発表することもなく、作り続けていた作家です。
微生物や微化石の構造体のモデルにも思えるし、未来の宇宙船や人工衛星の建造物の構造体のようにも見えます。数学の多面体の基本を自由に展開しながら、生命や宇宙の本質に迫る勢いでこの立体の制作に没頭してきたのかもしれません。これが何であるのかの解釈は既に美術の文脈だけでは解明不能で、さまざまな専門家、研究者の意見を、この展覧会を機会に求めたいところです。
本展は、根源的な問いを追い続けた作家としての平田の活動に光を当て、芸術と科学の両方の視点からその魅力を解き明かす出発点となればと思います。
【作品について】
平田の作品は、5角形、6角形、7角形など多角形の配列パターンによって創出される多様な形態からできています。
モデルは世界の為のモデルなのか? それとも世界がモデルの為の世界なのか? そんなことを考えながら、だれもが当たり前にふれている素材、鉛筆と輪ゴムから始まり、クラフトバンドや竹、結束バンド、PP バンドと素材を変遷しつつ、増殖を続けました。分子構造としてのフラーレンやナノチューブをフラクタル状に組み合わせて凖結晶構造のシェルター、万華鏡が三次元化されたような、幻惑に視線を誘い、シナプスを刺激します。
平田哲朗(ひらたてつあき 1962-2022)
1962年 香川県生まれ
1989年 東京藝術大学大学院美術研究科壁画専攻修了
1993-95年 ギャラリー「TRANS×TRANCE VISION」主宰。小沢剛展「SO-DAN ART」、角田俊也展「サウンドインスタレーション」等を企画
2004-05年 富山県氷見市でのアートプロジェクト「氷見クリック」実行委員
2006年- 富山県氷見市でのアートプロジェクト「ヒミング」実行委員
2008年頃- 本展覧会の出展作品群の制作を開始
主な展覧会
1993年 「ザ・ギンブラート」(東京)
2009年 個展「私的公共事業 Personal Public Service」ヒミングアー トセンター(富山)
2012年 「アートヒート on ダイヤモンドクロス」富山市民プラザ(富山)
2013年 「芸術定置網ヱヤサー! 2013」氷見市海浜植物園前松林(富山)
2014年 「繋ぐ術 田中忠三郎が伝える精神」十和田市現代美術館(青森)
関連イベント
■ TALK-1「芸術か?科学か?」科学の視点から、その謎に迫る
日 時:10月15日(土)16:00-17:30
会 場:3331 Arts Chiyoda 1F ラウンジ
参加料:無料
多角形や多面体さらにはその 4 次元版を未来的な造形作品や過去の遺物の中で見つけて興奮する図形科学者の宮崎興二氏と、コンピュータグラフィックスの専門家でありコンピュータを使った折り紙の設計・研究者でもある三谷純氏に、制作過程を最も間近で見ていた平田淑江氏を交え、科学的視点から平田作品を語ります。
宮崎興二(京都大学名誉教授 工学博士 図形科学 / 建築計画学)
三谷 純(筑波大学システム情報系教授)
平田淑江(氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣 三代目女将)
進行:中村政人(アーティスト、東京藝術大学絵画科教授・副学長)
宮崎興二
1940年徳島市生まれ。多角形や多面体さらにはその4次元版を未来的な造形作品や過去の遺物の中で見つけて興奮する図形科学者。京都大学名誉教授、大阪大学工学博士、一級建築士。京都工芸繊維大学工芸学部建築工芸学科卒。関西大学工学部助手、神戸大学教養部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授などを経て現在に至る。著書に『多角形百科』(細矢と共編)、『多面体百科』、『4次元図形百科』など。建築設計作品に『本立寺本堂』(明石市) など。作品展に『宮崎興二の4次元ミュージアム展』(西脇市岡之山美術館) など。
三谷 純
1975年静岡県生まれ。筑波大学システム情報系教授。2004年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士 (工学)。理化学研究所研究員を経て2005年より筑波大学に勤務。主な研究テーマはコンピュータグラフィックス、形状モデリング、折紙設計など。日本折紙学会評議員、日本応用数理学会折紙工学研究部会主査。令和元年度文化庁文化交流使としてアジア8ヶ国を歴訪。主な著書に『立体折り紙アート(日本評論社)』『曲線折り紙デザイン(日本評論社)』などがある。
平田淑江
氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣 三代目女将 富山県氷見市の旅館に生まれる。進路は薬学でアートとは縁もゆかりもなかった。91年に平田哲朗と出会い、翌年結婚。南青山でのギャラリー運営の後、95年に氷見に戻り、女将となる。「氷見クリック」立ち上げから実行委員、2015年までアートNPO ヒミング理事。夫の制作を支えるが、2022年2月夫に膵臓癌が見つかり、5月21日に看取る。
中村政人
1963年秋田県大館市生まれ。アーティスト。東京藝術大学絵画科教授・副学長。「アート × コミュニティ × 産業」の新たな繋がりを生み出す社会派アーティスト。1997年よりアーティストイニシアティブ「コマンドN」を主宰。2001年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館出品。全国で地域再生型アートプロジェクトを多数展開し、2010年民設民営の文化施設「アーツ千代田 3331」を創設。2020年より「東京ビエンナーレ」の総合ディレクターを努める。著書に『美術と教育』(1997)、『新しいページを開け!』(2017)、『アートプロジェクト文化資本論 : 3331から東京ビエンナーレへ』 (2021)。平成22年度芸術選奨受賞。2018年日本建築学会文化賞受賞。
■ TALK-2「芸術か?科学か?」芸術の視点から、その謎に迫る
日 時:10月16日(日)16:00-17:30
会 場:3331 Arts Chiyoda 1F ラウンジ
参加料:無料
平田に影響を与えたバックミンスター・フラーの著書の訳者でもある芹沢高志氏、アートプロジェクト「ヒミング」を通じ交流を深め、平田作品を十和田市現代美術館での展覧会に招聘した藤浩志氏、東京藝術大学在学中より親交があり「ヒミング」にも参加した小沢剛氏に、現在、建築学を学ぶ平田柳氏を交え、芸術的視点から作品の魅力を語ります。
芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)
平田に影響を与えたバックミンスター・フラーの著書の訳者でもある芹沢高志氏、アートプロジェクト「ヒミング」を通じ交流を深め、平田作品を十和田市現代美術館での展覧会に招聘した藤浩志氏、東京藝術大学在学中より親交があり「ヒミング」にも参加した小沢剛氏に、現在、建築学を学ぶ平田柳氏を交え、芸術的視点から作品の魅力を語ります。
芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)
藤 浩志(美術家 秋田公立美術大学教授 秋田市文化創造館館長)
小沢 剛(美術家 東京藝術大学教授)
平田 柳(東京理科大学 工学研究科 建築学専攻 博士後期課程)
芹沢高志
P3 art and environment 統括ディレクター 東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計画に参加したことから、89年に P3 art and environment を開設。99年までは東長寺境内地下の講堂をべースに、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを展開している。バックミンスター・フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』の翻訳者としても知られる。平田 柳(東京理科大学 工学研究科 建築学専攻 博士後期課程)
芹沢高志
藤 浩志
1960年鹿児島生まれ。美術家 秋田公立美術大学教授 秋田市文化創造館館長。奄美大島出身の両親の影響で大島紬周辺で遊ぶ。京都市立芸術大学在学中演劇活動に没頭した後、地域をフィールドとした表現活動を志し、全国各地の現場でプロジェクト型の表現を模索。同大学院修了後パプアニューギニア国立芸術学校に勤務し原初的表現と社会学に出会い、バブル崩壊期の再開発業者・都市計画事務所勤務を経て土地と都市を学ぶ。「地域資源・適性技術・協力関係」を活用したデモンストレーション型の美術表現により「対話と地域実験」を実践。
小沢 剛
1965年東京生まれ。美術家 東京藝術大学教授。世界各地に自作の地蔵を置き写真におさめた作品「地蔵建立」、牛乳箱を用いてアートを展示する超小型移動式ギャラリー「なすび画廊」、美術史の名画を醤油で模写する「醤油画資料館」、野菜で作られた武器を持つ女性のポートレイトのシリーズ「ベジタブル・ウェポン」など。主な個展に2004年「同時に答えろ Yes と No!」(森美術館)、 2009年「透明ランナーは走りつづける」(広島市現代美術館)、2018年「小沢剛 不完全-パラレルな美術史」(千葉市美術館)を開催。
平田 柳
1993年東京都生まれ。東京理科大学 工学研究科 建築学専攻 博士後期課程 1995年に両親と共に富山県氷見市に移住、その後高校卒業まで同地で過ごす。2017年東京理科大学工学部建築学科卒業。 2017-2018年オーストリア・ウィーン工科大学に留学。2020年東京理科大学工学研究科建築学 専攻修士課程修了。現在、同大学院博士後期課程に在籍。
【本展資料に関するお問い合わせ】
○作品写真、作者ポートレートなど、広報資料はこちらのウェブサイトよりダウンロードしてください。
https://sites.google.com/view/hiratatetsuaki/
○作者に関する詳細、取材依頼については、こちらにお問い合わせください。
平田淑江 yoshie.f.hirata(at)gmail.com
イベントの詳細については Facebook イベントページを随時更新します。
https://m.facebook.com/hiratatetsuaki.artsorscience/
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