外国人の子どもが3か月でゼロから日本語を話せるようにする日本語指導と教材開発で第55回博報賞を受賞

独自のカリキュラムによる指導とオリジナル教材、長年にわたる日本語初期指導教育が評価

 外国ルーツの子どもの日本語教育と指導者育成事業を展開する認定NPO法人プラス・エデュケート(事務所:愛知県豊明市、代表:森 顕子)は、第55回博報賞(主催:博報堂教育財団)を受賞しました。「ゼロレベルから3ヶ月で話せるようにする」独自カリキュラムと教材を作成し、長年にわたり初期日本語教育に取り組んできた実績を高く評価していただきました。


博報賞とは

 「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的として、1970年の博報堂教育財団創立とともにつくられました。とりわけ“ことば”を軸として、教育現場で活動する学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を表彰するものです。「国語教育」「日本語教育」「特別支援教育」「日本文化・ふるさと共創教育」「国際文化・多文化共生教育」「独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動」の活動領域が対象となっており、教育委員会・学識経験者など、第三者から推薦された候補者が選考対象となります。

 第55回は8件が「博報賞」、6件が「功労賞」、4件が「奨励賞」に選出され、当法人は「日本語教育」の活動領域で「博報賞」を受賞いたしました。

<審査員コメント>

 外国にルーツをもつ子どもたちが増え続けている現状において、子どもたちが学校の学びにスムーズに移行できるように、独自のカリキュラムを作成し、長年にわたり初期日本語教育を担ってきた実績が高く評価できます。子どもの参加率がほぼ100%であることは、子どもたちが安心して学べる場になっていることを示しています。活動実践に対する他市からの視察も増えており、カリキュラムや教材、指導法のみならず、市との連携等、さまざまな特徴を有する本活動は、他の地域がそれぞれの特徴に応じた多くの示唆を得られる活動となっています。


【3ヶ月で話せるようにする独自カリキュラム】

 短期間で話せるようにする独自カリキュラムは以下のような特徴があります。

①「語彙予習型」…語彙を先に教え、子どもたちに覚えさせたうえで、それを使って新しい学習項目を理解させます。

② 「STEP by STEPの積み上げ式」…前の学習項目を理解したうえで、それまでの理解では表現できない場面提示をして、新しい学習項目理解を促します。

③「ジグザグ方式」…復習を何回も行い、学習内容の「行ったり来たり」を繰り返すことで定着を図ります。

【子どものためのオリジナル教材】

 プラス・エデュケートのオリジナル教材は日本語ゼロレベルから日本語を日本語で教えられる教材で、以下の種類があります。この教材は、これまで1,500人を超える子どもたちへの指導実践から生まれました。子どもたちの日本語レベルに合わせてテキストが分かれていて、STEP by STEPで学ぶことができます。

 ■「にほんご あのね」シリーズ 1~3巻:日本語初期指導前期用

 ■「にほんご いいね」シリーズ 1~2巻:日本語初期指導後期用

 ■「語彙シート」:6か国語の母語訳つき

■にほんご あのねシリーズ:日本語初期指導前期用

日本語が全く話せない子どもから始められて、基礎的な言葉や文型を指導するためのテキストです。

<あのね1>

「サバイバル日本語」といわれる部分で、文字が読めなくても使用でき、話すことと聞くことの練習をします。なるべく早く学校生活に適応できるように一言からでもやりとりできることを目指しています。

<あのね2>

書く練習を始める段階です。「~です。」「~ます。」などの活用の簡単な言い方を学習します。この教材を学習することにより、先生や大人との意思疎通がかなり進みます。

<あのね3>

「あげもらい」や比較など視点を意識した表現や、普通体につながるいくつかの活用を扱ったりします。教科につながる日本語の学習を始める前の段階です。

■にほんご いいねシリーズ:日本語初期指導後期用

基礎的な日本語が話せるようになった子どもに向けて、より日常会話に近い内容を指導するためのテキストです。

<いいね1>

普通体を学び、友達との自然な会話を可能にします。また、理由、逆接や、時間的な表現(テンス・アスペクト)などを学び、複文が理解できるようにします。

<いいね2>

これまで学んだ知識を基礎として、話し手の判断や意志などの気持ちを表す表現や、空間的な移動の方向性や時間的推移などを表す表現などを学びます。

■語彙シート

教材に出てくる言葉を学習するための語彙シートです。

<語彙シート>

教材に出てくる言葉を学習するための語彙シートです。母語訳とイラストで語彙を覚えることができます。

「ベトナム語、インドネシア語、中国語」版と「英語、ポルトガル語、スペイン語」版があります。

※当法人は、教材の一般販売をしておりません。成果が出る効果的な指導方法を知ってから使っていただきたいため、該当するセミナーを受講していただいた方へのみ、販売しています。


【プラス・エデュケートの活動 「教育格差のない社会」を目指して】

 認定NPO法人プラス・エデュケートは、国籍やルーツ・人種や性別などに左右されない、すべての子どもたちが質の高い教育を受け、夢を実現できる社会の実現を目指し活動しています。

■専門家による日本語初期指導

 来日直後の日本語がわからない子どもたちに対し、週5日、各4時間の指導を行い、3ヶ月で日常会話レベルまで話せるようにします。

■研修

より多くの子どもたちが質の高い教育を受けられることを目指し、効果的な指導法をお伝えする研修を実施しています。行政・団体向け研修と個人向け研修(FOR+プロジェクト)があります。

■教材提供

研修を受講された、団体・個人に向け、当法人オリジナル教材を提供しています。

【認定NPO法人プラス・エデュケート 理事長 森 顕子のコメント】

 このたびはこのような賞をいただくことになり、これまでご指導とご協力をいただいたすべての方々に感謝申し上げます。

 そもそも私たちが子どもの日本語教育に関わり始めたころには、モデルケースとなる指導法や教材がほとんどありませんでした。そのような中、子どもたちが「使える日本語」を身に着けるためにはどうすればよいか。私たちスタッフは時間を忘れて協議したり、試行錯誤を重ねた結果、現在につながりました。日本語教育を通じて、関わったすべての子どもたちの能力を引き出し、日本で力強く生きていける力を身につけてほしいという想いでこれまでがんばってまいりました。

 今後は皆様方に私たちのノウハウをお伝えし、多くの子どもの日本語指導者を育成し、社会課題解決へとつなげていきたいです。

【認定NPO法人プラス・エデュケートについて】

【法人概要】

商号 : 認定NPO法人プラス・エデュケート     

代表者 : 理事長 森 顕子

所在地 : 〒470-1131 愛知県豊明市二村台3-1-1 豊明団地55-107

設立 : 2012月4月     認定取得: 2020年11月

事業内容: 日本語初期指導事業・放課後学習支援事業・オンライン教室事業・講演事業

当法人ホームページ              : https://www.plus-educate.org/

子どもの日本語教師育成プロジェクト「FOR+」 : https://forplus-nihongo.com/

子どもの日本語教師コミュニティ「FOR+ゼミ」 : https://forplus-nihongo-salon.fants.jp/

【本件のお問合せ先】

認定NPO法人プラス・エデュケート

担当 小島

TEL:0562-92-3822

MAIL:plus_educate@yahoo.co.jp

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会社概要

URL
https://www.plus-educate.org/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
愛知県豊明市二村台3-1-1 豊明団地55棟107号
電話番号
0562-92-3822
代表者名
森 顕子
上場
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資本金
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設立
2012年04月