東京高速道路（ＫＫ線）再生に取組むプロジェクトの名称を発表「Roof Park Project」

KK線の再生に取組む「Roof Park Project」は、既存施設上部を整備するだけでなく、下部の商業施設や周辺のまちとの連携も一緒に考えます

東京高速道路株式会社

2025年4月18日 17時00分

東京高速道路株式会社（本社：東京都中央区）は、2025年4月5日20時に東京高速道路（KK線）を廃止（東銀座出口を除く）しました。

今後、ＫＫ線を歩行者中心の公共的空間に再生する取組みを本格化するにあたり、4月18日に開催した車のための空間から人のための空間への交代式「ＫＫ線リボーンセレモニー」において、プロジェクト名称「Roof Park Project」、プロジェクトコンセプト「みんなでゆっくりつくる未来」を発表しました。

「Roof Park Project」の特徴

KK線の再生に取組む「Roof Park Project」には、以下のような特徴があります。

① 都市スケールの既存インフラを再生し、新しい価値を提供すること

KK線の再生によって生まれる新たな空間が周辺のまちをつなぐことで、横のつながりと共に上部と地上がつながり、賑わいが広がっていくようなまちづくりを実現します。

② 民間と東京都の公民連携によって事業を推進すること

事業主体であると当社と東京都が「共創的公共」の在り方を模索しながら、連携して事業を推進することで、東京の新たな価値や魅力を創出する「世界から注目される観光拠点」を目指します。

③ 計画・整備の段階から多様な人々と関わり、共創すること

これまでにない新しい公共的空間の在り方を企画・検討するため、事業デザインの企画・実装を提案する仕組みとして「共創プラットフォーム（※）」を組成。計画検討の初期段階から、事業者だけでなく、多領域の専門家を交えながら、新たな価値について議論を行うプラットフォームとなるような、多くの人が様々な形で関われる仕組みを元にプロジェクトを推進します。

④ プロジェクトに関する発信や会話を常に行い「ゆっくりつくる」を実装する

車が走る速さから、人が歩く速さへ。ヒューマンスケールで丁寧なまちづくりを行います。　

※共創フラットフォームについては（https://roofpark.com/ja/）を参照

「Roof Park Project」というプロジェクト名称に込めた思い

KK線の施設は、1959年の開業当時から、商業施設の「上」に道路があるという構造が特徴です。KK線の再生は、既存施設を活用し、道路下の商業施設や周辺のまちの営みを壊さずに、施設の上部を車から人への空間に再整備する取組みです。プロジェクト名称は、上部空間に限定されないものにしたい。そんな発想をもとに、下部に空間・営みがあることを示す「屋根＝Roof」という言葉に対し、私たちが大切にしたい思いを込めました。

屋根に上り、いつもと違うひらけた景色を目にしたときのワクワク感を、訪れるたびに感じられるような、楽しく、みんなに愛される空間を目指します。

プロジェクトコンセプトに込めたまちづくりの理想

プロジェクトコンセプトの策定にあたり、まず人中心のウォーカブルなまちづくりが重視される時代における本プロジェクトの意義を考え、スピードや効率を優先したプロセスで進めてよいのかと問いかけることから始まりました。

60年以上の長い歴史を積み重ねてきたKK線の既存施設を再生する本プロジェクトは、様々な人と関わり、会話を重ね、解像度の高い計画・デザイン・実行というプロセスを踏みながら丁寧に進めていくべきであると考えます。そして、供用開始後も完成形はなく様々な人の手垢をつけてつくっていくことにより、愛着をもって進化し続ける、そんなまちづくりの理想を「ゆっくりつくる」という表現に込めています。