しいたけが解決!!我が国の農業とエネルギー

~相性抜群!!しいたけと太陽光発電のシェアリング~

株式会社三喜工務店

しいたけ菌の研究・開発・製造を行う株式会社富士種菌(山梨県南アルプス市)と、太陽光発電架台の開発・製造を行う株式会社三喜工務店(愛知県小牧市)は、農家が農業収入だけでなく、太陽光発電所も兼ねるソーラーシェアリング事業に共同で取り組むことを発表した。これから、全国に点在する原木しいたけ農家と、原木しいたけの新規就農向けに展開をしていく。
 富士種菌代表取締役、相場幸敏氏は「原木しいたけ栽培のオピニオンリーダーとして新しい手法を展開し、しいたけ業界だけでなく、全国の農家・経済にも波及させていきたい」と言う。また、三喜工務店代表取締役、三輪憲一氏は「我々のような建築製造業と、異業種がタッグを組み、展開していくことでソーラーシェアリングの発想をより広めていきたい」と意気込む。今後、両社にてさまざまな事業のシェアリングも検討していく予定だ。

株式会社三喜工務店が愛知県で初めて取り組んだしいたけ農園(愛知県小牧市)。総面積約3400㎡。株式会社三喜工務店が愛知県で初めて取り組んだしいたけ農園(愛知県小牧市)。総面積約3400㎡。

設置された太陽光パネルは1,125枚。年間発電量は30万kWhを超え、原木は5500本以上。設置された太陽光パネルは1,125枚。年間発電量は30万kWhを超え、原木は5500本以上。

きのこ栽培の重要な役割

 きのこを栽培することは、きのこの収穫だけでなく、里山の整備や、森林の公益的機能の維持にも重要な役割を果たしている。

 人が豊かで幸せに暮らしていくためには、農業・農村・そして自然が豊かである必要がある。日本の森林総面積は2500万haあり、森林率では世界第2位の緑豊かな国である。そこに1億3千万人が住み、屈指の経済力を持ちながら、これほど緑が維持されているのは奇跡とさえ言われている。

 そして、自然や森が豊かで健全な証拠として日本の森林には、5000種を超えるたくさんのキノコが自生している。きのこは食物繊維を多く含み、低カロリーで生活習慣病の改善にもなる機能性成分を含有しており、高齢化社会を迎えたわが国において健康維持に欠かせない食品である。

 きのこ生産は林業が停滞する中で、山間地の農林家の複合経営上大きな位置を占めており、間接的に里山の整備、森林の公益的機能維持に重要な役割を果たしている。中でも原木しいたけはその中核的存在として、ホダ木となるコナラ、クヌギ等を活用し、森林資源を循環利用する重要な役割を担っている。

 しかし、一方で農山村では過疎化や高齢化、後継者不足で空洞化が加速すると云う農林業の厳しい現実がある。そうした構造的な問題から原木しいたけも残念ながら減少の一途を辿っている。

原木しいたけ栽培の優位性

 原木シイタケは他のキノコ栽培と違い、パイプハウスなど簡易な施設を利用し、天候に左右されず一年を通して安定した栽培が可能である。その上、天候の変化や自然災害にも強く、経営安定性にも優れている。
 栽培規模の大小や経営形態のバリエーションは豊富で、専業経営はもちろんのこと、いろいろな農作物との複合経営においても栽培効率を落とさず、自分のペースで経営が出来る。そのため、高齢者や女性でも安心して栽培ができるのも原木シイタケならではの優れた特徴と言える。

 原木シイタケはコナラやクヌギなど樹齢20年程の広葉樹を使い栽培する。伐採した樹木の切り株からは新しく芽がふき、再びCO2を活発に吸収しながら成長し、それを繰り返すことで健康的な森が維持される。
 原木シイタケ栽培は循環型の農業であると同時に、里山資源の有効活用を通じ、近年荒廃が危惧される里山の環境保全にも貢献出来る。自然を生かしつつ、無農薬で栽培する安全な原木しいたけ栽培が改めて見直され始めている。

相性抜群!?しいたけ×太陽光発電

しいたけの発育に日陰は重要。太陽光パネルの下の日陰ですくすく育ったしいたけ。しいたけの発育に日陰は重要。太陽光パネルの下の日陰ですくすく育ったしいたけ。

 今回、三喜工務店の実例でも実証済だが、太陽光パネルとしいたけ栽培は相性が抜群だ。太陽光パネルの下は日陰となり、適度に日差しを遮ることで森の中のような環境となる。しいたけはこのような環境を好み、よく発育をする。太陽光パネル下での農業は数多く実現しているが、発電効率を考えても遮光率90%で栽培が出来る原木しいたけは、相性が抜群である。

 現在、地球温暖化が進む中、夏の暑さは異常となり、従来のホタ場では夏の強い日差し遮ることが難しい。しいたけ栽培における日射コントロールの工夫も必要であり、農家の悩みの種でもある。太陽光パネルを活用することはそのような悩みも解決出来る。

ホダ場の遮光施設を太陽光パネルにて担う。ホダ場の遮光施設を太陽光パネルにて担う。

 また、新規や建替えで栽培施設を作りたい場合にも有効だ。栽培施設を作る資金や、組立時間などで悩まれる農家も多い中、建設費を売電収入で返済出来る上、パネル下で効率よくしいたけ栽培も出来る。
 しいたけの栽培施設として太陽光発電を行うことにより、売電収入も見込め、経営が楽になることも魅力である。健全な経営が出来れば、後継者も現れ農業の継続も見込める。
 原木シイタケ農家と太陽光発電の両立は今後の農業スタイルを変えるパイオニアとなると両社は考えている。

富士種菌×三喜工務店のコラボレーション
 三喜工務店は、農作放棄地を競売にて取得し、きのこ村をスタートした。そこで育てるしいたけの種菌を富士種菌に依頼したことから、今回のコラボレーションが実現。

富士種菌ではしいたけ種菌の研究開発を行い、日々品質向上に努めている。富士種菌ではしいたけ種菌の研究開発を行い、日々品質向上に努めている。


  富士種菌の代表相場氏は「しいたけ原木の一大産地であった福島の山が原発の影響もあり一気に閉ざされた。弊社としても大きなダメージを受けると同時に、エネルギー問題もどうにかならないものかと考えていた。再生可能エネルギーには以前より興味はあったが、三喜工務店さんがこのようにしいたけ栽培を成功させている姿を見て確信した。全国の農園の方々の収益にも繋がり、廃業や後継者不足の解消にもつながる。そして、エネルギー問題の解決に繋がることは何より大きい」と言う。


 また、三喜工務店の代表三輪氏は、「現代社会ではTPPも始まり、農業だけでの継続が現実的に厳しくなってきている。それにより、農業を辞め放棄農地になっている土地がごまんとある。これでは、食糧自給率がどんどん下がってしまう。農地は平坦なところも多く発電効率も高いので、発電を兼ねることで農家の継続とエネルギー問題の解決につながる」と言う。

三喜工務店オリジナルの鉄骨製架台は大スパンも可能。筋交いなども最小限でシンプルな構造だ。三喜工務店オリジナルの鉄骨製架台は大スパンも可能。筋交いなども最小限でシンプルな構造だ。

 

三喜オリジナル杭。三喜オリジナル杭。

三喜工務店は、元々鉄骨を扱った建築をメインに自社工場にて製造販売を行ってきた。太陽光発電所も数多く施工実績があり、架台の技術には長けている。特にソーラーシェアリングの場合、パネルを高所に設け下で農業を行う為、通常の野立ての太陽光発電所よりも足元や架台の強度は必須である。今回、自社独自開発の杭(特許第5756551号)や、自社制作の鉄骨架台を用いることで、ソーラーシェアリングに適した高強度の架台を実現。開口が広く筋交いなどの遮蔽物もなく作れるので、農作機械が通りやすく設計されている。

 


21世紀の農業革命!?
近年、日本の農業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあり、
①農産物の価格低迷
②農業資材の価格高騰
③高齢化等による後継者不足
などがあり、様々な問題が農家の経営力低下や、新規就業者の意欲減少を招いている。今回の異業種への挑戦は、こういった諸問題解決の一助となり、農家の経営力強化・新規就業者の増加にも繋げやすいと考えたからである。
 ソーラーシェアリングは現代社会に適した手法であり、今後更なる普及に繋がると両社は期待を寄せている。



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本件に関する問合せは下記まで
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株式会社富士種菌 広報担当:小林
山梨県南アルプス市有野499-1

http://www.fujishukin.co.jp

電話:055(285)3111  
FAX:055(285)3114
mail:info@fujishukin.co.jp
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株式会社三喜工務店 広報担当:増田
愛知県小牧市大字大草字大野5786-123

http://www.sanki-kohmuten.com/

電話:0568(78)0505
FAX:0568(78)0606
mail:info@sanki-kohmuten.com
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会社概要

株式会社三喜工務店

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URL
http://www.sanki-kohmuten.com/
業種
建設業
本社所在地
愛知県小牧市大草大野5786-123
電話番号
0568-78-0505
代表者名
三輪 憲一
上場
未上場
資本金
2500万円
設立
1981年04月