植物を100%活用するBio Material Transformation（BMT）事業を異業種7社が取り組み開始

サーキュラーエコノミーを実現するエコシステムを構築しタンパク質危機等の社会問題を解決

S-Bridges株式会社

2025年4月22日 14時30分

©2025 S-Bridges Corporation. All rights reserved

国立大学法人静岡大学発ベンチャー企業のS-Bridges株式会社（代表取締役　長門貴）は植物を100％活用するBio Material Transformation(BMT)※事業を異業種7社と協力して推進するエコシステムを構築しました。
この新たなエコシステムにより、これまで困難とされていた完全なサーキュラーエコノミーを実現する扉を開き、タンパク質危機、食品廃棄物、カーボンニュートラル等の社会問題を解決します。7社での連携をスタートとしてBMT事業を市場に展開していきます。

取り組みを開始する７社は、株式会社アイシン、アサヒ飲料株式会社、デンカ株式会社、カゴメ株式会社、オルガノフードテック株式会社、帝人フロンティア株式会社、S-Bridges株式会社です。

Bio Material Transformation (BMT)は S-Bridges株式会社の商標です。

※BMTとは、植物素材(Botanical)から、全成分を抽出して分離し、全てを利活用すること。S-Bridges株式会社の商標

背景

世界の人口爆発により、2050年にはタンパク質危機が訪れるとされています。また国連ではSDGsのなかで、2030年までに食品廃棄物を半減させる目標を採択しております。しかしながら、多くの企業が研究を行うものの有効なソリューションを見出せず、一部の製品のアップサイクルに留まっています。完全なサーキュラーエコノミーの実現には生産～物流～販売等、新たなバリューチェーンを構築する必要があり、複数のソリューションが必要です。

７社による企業連携（BMTチーム）の目的

S-Bridgesは植物の未活用成分の全抽出を行う技術を開発しました。そのはじめとして、茶葉の植物の成分を100％活用するためのオープンイノベーションを行いました。そこで有用性を見出した企業が集まり、異業種の企業でのBMTチームが結成されました。

このBMTチームは植物を扱う飲料・食品企業、抽出のための分離技術を持つ企業、取り出した成分の活用を行う繊維、化学、食品素材、輸送機器企業で構成しています。それぞれの強みを生かすことで新たなバリューチェーンが構築でき、サーキュラーエコノミーの実現が可能となります。

全抽出技術

植物の全抽出に最適化した独自の技術（酵素と湿式粉砕）を用いて、葉内部の細胞壁を柔らかくし、粉砕・分離を行うことで、植物の成分抽出を飛躍的に高め、全抽出を可能にしています。この技術によって、細胞質内に存在するタンパク質等を抽出し、活用することが可能となりました。

飲料に使用される茶葉の例では、従来は茶葉が持つ成分の20%程度しか利用されておらず、成分を全抽出することで、100%の活用を目指すことが可能となります。

また、この技術は茶葉に限らず、様々な植物に転用が可能です。

静岡発での取り組み

BMTチームが手掛けるサーキュラーエコノミーの第一弾を静岡発として、茶葉に取り組みます。

茶葉にはタンパク質、繊維、ミネラルが含まれておりますが、従来は、ドリンクに使用される水溶性の成分の一部のみの活用に限定をされていました。BMTチームは各社の強みを生かして新製品開発の協議を進めております。

今後、抽出した成分や素材を活用した新製品の発表を実施していきます。この活動により、未活用の茶葉の成分を全て活用することで、タンパク質の自給率向上や、食品廃棄に使われていたエネルギーの削減にも貢献することが可能となります。