空き家問題に新たな選択肢！地域密着型AI『空き家未来AIナビ』で手軽に相談

「空き家のこと、何から始める？」まずはAIに相談！いつでも・どこでも最適な解決策を提案

特定非営利活動法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会

2025年2月26日 10時25分

NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会は、国土交通省の令和6年度空き家対策モデル事業に採択され、都築電気株式会社協力のもと「空き家未来AIナビ」を開発しました。

「空き家未来AIナビ」は、増え続ける空き家問題に対応するため、AIチャットボットを活用した新しい相談窓口です。空き家問題は初期対応がとても重要です。そこで空き家所有者がいつでも気軽に相談でき、円滑に担当窓口へとつなぎ、地方の空き家を1つでも減らすことを目指します。

現在、α版を公開中で、今後、各地域の空き家事情に対応する形での展開を予定しています。

公開URL： https://www.akiyamirai.net

サービスの背景と課題

近年、日本の空き家問題は深刻化しています。総務省の「住宅・土地統計調査」（令和5年）によると、2023年の空き家数は900万戸に達し、空き家率は13.8％と過去最高となりました。

特に地方部では、都市部よりも空き家率が高く、和歌山県・徳島県では21.2％、山梨県では20.5％と全国平均を大きく上回る地域も存在します。また、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」（実質的に放置された空き家）も全国で385万戸に達し、その割合は地方で特に高い傾向にあります。

このような背景のもと、空き家の管理や活用に関する相談の需要が高まっており、「空き家未来AIナビ」は、こうした課題を解決するために生まれました。

空き家未来AIナビの特徴と解決策

「空き家未来AIナビ」は、AIを活用した地域密着型の空き家相談窓口です。空き家の所有者が気軽に相談できる環境を提供し、問題の早期対応を促すことで、放置空き家の増加を防ぐことを目的としています。

【AIを空き家相談窓口にするメリット】

24時間365日対応：いつでも気軽に相談できる
全国どこからでも利用可能：遠方の空き家についても安心して相談できる
最適な窓口を案内：相談先がすぐにわかる
相談したことが知られない：誰にも知られずに空き家の悩みを相談できる
担当を超えた相談ができる：税・登記・活用方法など、多様な質問に対応

なお「空き家未来AIナビ」は、都築電気株式会社協力のもと制作しています。同社は法人向けのDX推進等を行っている東京都のICT企業で、「空き家問題」についての合同ワークショップを経て、企画提案および技術監修を依頼しています。

https://www.tsuzuki.co.jp/

サービスを利用した人の声（利用者のリアルな感想）

＜利用時＞
「人には聞きにくいこと（家賃相場や空き家運用デメリットなど）が迅速に気兼ねなく聞けた」

「空き家利活用の方法について賃貸や売却といった選択肢だけでなく、地域のコミュニティースペースや民泊等の幅広い活用についての回答が得られた」

「ＡＩが人間の抽象的な質問に対して具体的な案（相談機関や準備に必要な物等）を複数提示してくれるため、役立つ情報はたくさん得られると感じました。」

＜利用後＞
「家督相続に向け、早めに行動を起こすことについて話していきたいと思った」

「サービスで得た情報をもとに周囲へ空き家活用の提言をしようと思った」

「家の将来について、色んな選択肢を持てるようになった」

「空き家を持つ人のそれぞれの気持ちや都合に沿った回答をしてくれるため、漠然と抱えた不安を和らげ、空き家に対する心持ちが前向きになった」

専門家が語る！空き家未来AIナビの可能性

「空き家未来AIナビ」を拝見して、空き家活用に向けた相談の機会の一つとしてAIの可能性の意義を感じました。直接対面では相談しづらい、家族のことは話にくいといった空き家所有者に対して、論点を整理し、必要に応じて相談に誘導する契機となる可能性があります。

未学習のChatGPTと「空き家未来AIナビ」に同じ質問を入力し、両者の回答を比較しました。全国的な動向、一般的な内容については未学習のChatGPTの方が詳しく回答がありました。一方で、空き家問題に詳しくない方、はじめて向き合う方にとってみれば、「空き家未来AIナビ」の方が端的でわかりやすく、相談に向けた誘導が効果的に回答されていると評価できます。

今後も必要な調整を継続的に行っていただくことで、空き家相談の入り口として充実したツールになることが期待されます。

和歌山大学システム工学部建築・ランドスケープメジャー
　教授　佐久間　康富

「空き家」を取り巻く状況やかかわる人々の思いは実に様々です。AI チャットボットは、24 時間 365日、どこからでもアクセスが可能で、対面や電話での問い合わせは気が引ける、と思う場合でも気兼ねなくアプローチできます。また具体的に検討している方にも、漠然と考え始めた方にも広く対応しています。

空き家未来AIナビは、その地域の特性と空き家に関連する組織のデータベースを土台にした、より具体的で適切な指南役であるため、人々の思いを形にできる「空き家」対策に大いに貢献できると期待しています。

大阪国際大学国際教養学部国際観光学科

　教授　久保由加里

空き家問題・・・鹿野に限らず全国で今後ますます拡大する課題。

財産を相続した遠隔地の子や孫が『空き家をどうしよう？』と考えたときに、気軽に相談できる窓口が産声を上げました。
空き家相談を円滑化し、情報共有を進めることで、全国の活動団体や行政機関の連携を促し、危険な空き家の発生を少しでも抑制する一助となることを期待しています。
より多くの方にアクセスしていただき、全国の活動団体や行政機関とともに、この仕組みを成長させていきましょう。

鳥取市役所鹿野町総合支所

　副支所長兼地域振興課長　小林克己