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一人ひとりが情報発信の担い手に。選ばれる店になる企画と広報PR|有限会社三景スタジオ

北海道旭川市に本社を構える有限会社三景スタジオは、「写真工房ぱれっと」「Palette+plus」「studio aim/aimme」「三景スタジオ」など地元北海道を中心に5ブランド11のフォトスタジオを展開。お宮参りから七五三、成人式、ウェディングなど、人生の大切な節目を思い出に残すサポートをしています。

2020年から続いたコロナ禍では、事業を縮小したり営業を止めたりする企業も多かった中、「自分たちが歩みを止めてしまったら、大切な思い出を記録に残せない人たちが増えてしまう」と考え、感染症対策を工夫しながら営業を続けたと言います。同時に、オンラインセールスのスキーム※を構築するなど、ピンチを好機に変えて業績を伸ばすことに成功しました。同社の話題を集める企画やプレスリリースはどのようにして作られているのでしょうか。

本記事では、有限会社三景スタジオで営業企画や広告プランニングなどマーケティング全般を手がける、店舗営業本部部長の上村啓太さんにインタビュー。広報PR体制やプレスリリース配信を始めたきっかけ、作成のポイントなどについて、詳しくお話を伺いました。

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有限会社三景スタジオ(北海道札幌市):最新のプレスリリースはこちら

有限会社 三景スタジオ 店舗営業本部 部長 

上村啓太(Uemura Keita)

三景スタジオにおいて、マーケティング兼営業責任者として2013年に入社以来、CMO視点で事業成長と社内改革をリード。主な変革は、撮影後の追加購入システムから全データ販売への移行、コンセプトスタジオの構築、ブライダル事業の強化、WEBマーケティング戦略(コンテンツマーケティング・SEO・MEO戦略)の成功などが挙げられる。また、オンライン相談システムの導入やインサイドセールスチームの設立により、キャッシュポイントの変更と顧客体験の向上を実現。さらに、新たなブランド「Palette+plus」の企画立案や、ソロウェディングの世界的発信、メディアプロモーションの全社強化など、広報戦略においても成果を上げた。

TOP画像:左から 店舗営業本部 WEB課 主任 大嶋優実氏、店舗営業本部 部長 上村啓太氏、札幌デザインラボ チーフデザイナー 福田夕真氏

すべての従業員がプレスリリースを担当

──プレスリリースの配信を始められたのは6年前頃かと思いますが、広報PR活動に力を入れようと思ったときのことを教えてください。

実は、三景スタジオには広報専門の部署は存在せず、PR戦略を私が考えながらデザイナーチームや各店舗のメンバーと一緒に運用しています。

広報PR活動に力を入れようと思ったのは、会社の成長が停滞したことが理由のひとつです。

当社は店舗での営業のため、ブログを活用するなどお店に来ていただけるよう、もともと情報発信には力を入れていました。ただ、フォトスタジオをお探しの方や当社をご存じの方に情報を届けることはできても、それ以上広くの方に知ってもらうのが難しいと感じ始めて。事業成長が踊り場的になっている中で、お客さまだけでなく広くアプローチをしていくためには、もっと広報PR活動に力を入れていく必要があると思ったのです。また、その活動も営業担当者やマーケティングの担当者だけで取り組むのではなく、現場のスタッフ一人ひとりが自分たちの声や想いを届けることができる店舗になっていきたいと思い、発信の場を増やす意味でプレスリリースを導入しました。

──2024年は月におよそ20件、2025年に入ってからは月に30件弱のプレスリリースを配信いただいていますが、上村さんがすべてを書かれているんですか。

プレスリリースに関しては、以前は私や一部のメンバーで執筆から配信までのすべてを担っていたのですが、現在は各店舗の責任者はもちろん、パートの方を含めて140名ほどいる従業員の全員がプレスリリースを書けるようになりました。

当社は、店舗ごとに企画を考えることが多いのですが、企画の発案者やディレクションをする人自身がプレスリリースを書いたほうが、内容も深まり「想い」もしっかり伝えられるのではないかと考えてのことです。最終確認はしますが、実際に携わった者に任せて全員広報のように取り組んでいます。

例えば、「写真工房ぱれっと帯広店」で実施した『医療的ケア児の日』の企画※1は、実際に医療的ケア児を持つスタッフが「こんなことをやってみたい」と考えた企画です。また、「写真工房ぱれっと札幌中央店」がコロナ禍に実施した『白い雪の成人式』※2や、「写真工房ぱれっと西店」で実施したカメラマンの仕事体験ができる企画『おしごとキッズ』※3なども、パートの方が企画を考えてプレスリリースを作成しています。

有限会社 三景スタジオ プレスリリース

参考1:『医療的ケア児の日』写真工房ぱれっと帯広店で、9月21日(水)医療的ケア児と、そのご家族を対象に1日限りの撮影イベントを開催

参考2:写真工房ぱれっとが提供する、写真で残す成人式の開催が決定!その名も「白い雪の成人式」

参考3:作る、学ぶ、楽しむ。「おしごとキッズ」カメラマンお仕事体験!-写真工房ぱれっと&Palette+plus

ブログを情報発信のツールにしていたときには、メディアに取り上げられることはありませんでしたが、プレスリリースを配信するようになってからは、地域の新聞やテレビ局が取材に来てくれることも増えました。その中でも、「studio aim 東京原宿店」で実施した『ソロウェディング』のプレスリリースは海外でも大きな反響があり、イギリスのBBC放送(British Broadcasting Corporation)やアメリカのニューヨーク・タイムズ(The New York Times)にも取り上げられたんです。これもプレスリリースの効果だと実感しています。

参考:“おひとりさま女子”から人気急上昇中!世界が注目する「ソロウェディング」とは!?

プレスリリースは「大切な誰か」を思い浮かべて執筆

──プレスリリースを書く際、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

「大切な誰かのためを思って書く」ということですね。誰の、どんな課題を解決したいのかを考え、そのことを誰に伝えたいのかを大切にしています。誰かひとりを思い浮かべながら、解像度を高くしてその人のために書くイメージです。多くの人に好かれたい、すべての人に届いてほしいという思いはありますが、企画のスタートは「大切な誰かひとり」ということが多く、その人のことをイメージしています。

プレスリリースに掲載する写真は、お宮参りや七五三、結婚式などの記念にまつわるものや日本の文化とつながりがあるものが多いので、そういう節目の言葉と今のキャッチーなビジュアルとをつなぎ合わせることも意識していますね。

また、プレスリリースはお客さまにお越しいただくために、接点を増やしていくことが目的なので、先ほど紹介したメディアからの取材につながるようなニュース性の高いものは別ですが、普段は生活者の方に情報が届くように心がけています

企画も同じくで、誰の、どんな課題を解決したいのかが軸です。当社では、ハタチの記念に振袖だけでなく、ドレスを着ての撮影を提案しているのですが、これは撮影していたときに、親御さんはうれしそうに見守る一方、ご本人はどこかワクワクしていないような表情を見ていたからです。

有限会社 三景スタジオ プレスリリース

参考:【振袖&ドレス】トレンド感を着こなして。”premier line”で新しい自分に出逢う、成人式前撮り写真の最新スタイル。

生活者に向けてのプレスリリースという点では、SNSでの拡散によって自分たちが予想していないところへ広がっていくことは期待している部分のひとつです。僕自身、導入当初は「プレスリリースは特別なもの」「企業にとっての公式なものであらたまったものでなくてはダメ」というイメージを持っていたのですが、今ではSNSと同じく「世の中に発信する」「社会とつながる」ための手段だな、と感じています。

北海道の恵まれた景観を生かしたサービスを展開

──先ほど、店舗ごとにいろいろな企画のアイデアが生まれると伺いましたが、三景スタジオさんで活躍されている方というのは、やはり自分から発案できる方が多いのでしょうか。

私たちはお客さまの記念日に携わる事業なので、お客さま一人ひとりの記念を心から応援できる人やそういう出会いを作りたいと思っている人が活躍していると思います。また、「おしゃれなものを作りたい」「自分の作品を残したい」という超クリエイティブな人が多いのもうちの特徴です。

自分たちのやっていることが誰に届いているのか実感を得にくい仕事もありますが、私たちはプレスリリースやSNSで反響を知ることで、大きな刺激にもなっていると思います。

──広報PRとして今後取り組んでいきたいことをお聞かせください。

スタッフ一人ひとりが、それぞれ自社や社会との接点を少しずつ感じられるようになってきたので、今後はさらに「行動していただく」「動いていただく」ことをイメージしながらプレスリリースを進化させていきたいと思います。

北海道を舞台にしたブライダルロケーションにも少しずつ力を入れているところです。『白い恋人』でおなじみの石屋製菓さんや、札幌の洋菓子店きのとやさんなど、ほかの企業との連携によって北海道に新たな価値を生み出し、道外から北海道に人を呼び込むことで北海道を応援していきたいと考えています。

参考:【残り19県】ISHIYAの「白い恋人」がもらえる!ぱれっとのフォトウエディング”目指せ全国制覇!”キャンペーン

参考:【きのとや×Palette】”バースデー七五三”企画で道内企業が夢のコラボ!『おたんじょうびおめでとう!きみに贈る、笑顔の魔法。』

──全国から訪れているのでしょうか。

この北海道の美しい景観を生かしたロケーション撮影はかなり反響が大きく、首都圏だけでなく、関西や九州、沖縄からも日本全国のさまざまな地域からお客さまが来てくださっているんです。今後もさらに広報PRの力で広い地域に接点を生み出していき、全国制覇できたら嬉しいですね。

あとは、プレスリリースの発信をきっかけにして、お客さまやほかの企業とリアルにつながるような接点も作っていけたらいいなと思っています。以前、PR TIMESさん主催のイベントに参加させていただいたことがありますが、そのときに「実際に会う」ことのメリットをすごく感じたんです。「この企業はこんなふうに考えているんだ」「そんな考え方もあるのか」など、とてもおもしろかったですし勉強になりました。私たちも何か広報PRの活動が、オンラインだけでなくオフラインにも広がっていくような取り組みにチャレンジしてみたいなと思います。

プレスリリースより 【残り19県】ISHIYAの「白い恋人」がもらえる!ぱれっとのフォトウエディング”目指せ全国制覇!”キャンペーン

まとめ:社会とのつながりを創出するプレスリリース配信のポイント

各店舗の従業員がクリエイティブな思考で主体的に企画立案と情報発信に携わる、有限会社三景スタジオ。プレスリリースを通じて発信力を飛躍的に向上させ、メディア掲載や生活者とのタッチポイントの拡大に成功しています。

  • 企画発案者が発信を担う:実際に企画を立案した人がプレスリリースを書くことで、想いが伝わる
  • 「大切な誰か」を思い浮かべて書く:ターゲットを具体的に想定し、解像度の高い内容にすることで共感を得る
  • ビジュアルにこだわる:記念日の撮影や文化的なテーマに合わせたキャッチーなビジュアルを活用し、メディアやSNSで拡散しやすい工夫をする
  • 企業コラボによる認知拡大:地元企業との協業で話題性を高め、新たな価値を創出しながら地域貢献を図る

今後は、北海道の美しい景観を生かしたブライダルロケーションや、企業コラボを通じた地域活性化にも注力しきたいと話す上村啓太さん。同社の今後の取り組みにも注目です。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

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『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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