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周年記念のプレスリリースの書き方|記事化されるポイント・項目・事例を解説

企業の創業や設立からの節目を祝う「周年記念」は、事業の歴史や実績を振り返る絶好の機会です。社内で記念式典や記念品を制作したり、顧客を巻き込んだキャンペーンや限定商品を発売したりなど、企業によってさまざまな取り組みが行われています。それらをプレスリリースを通して伝えることにより、効果的に企業の認知拡大を図ることができるため、周年記念はプレスリリース配信のタイミングとしては最適です。ただ、実際に書くとなると、どんな要素を盛り込めばよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、単なる自己満足の発表にならないような「周年記念」に適したプレスリリースの内容を解説します。記載すべき項目や書き方のポイントのほか、企業の配信事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

周年記念時にプレスリリースを配信する3つのメリット

周年記念はプレスリリースを配信する絶好のチャンスです。まずは、周年記念時にプレスリリースを配信する3つのメリットをご紹介します。

周年記念時にプレスリリースを配信するメリット

メリット1.事業が継続成長していることを社会に発信できる

周年記念という節目を迎えられるのは、事業が継続的に成長している証しです。そのため、周年記念のプレスリリースを配信することで、自社や提供する商品・サービスに対する信頼感を高めることができるでしょう。また、通常は身近な企業でもその歴史を知る機会はほとんどありませんが、周年記念を機にこれまでの歩みを紹介することで、多くの方に興味を持ってもらえたり、共感してもらえたりする機会をつくることができます。さらにこれからの展望を記載することで、将来性に期待感を抱いてもらえる可能性も高まります。

メリット2.関係者に感謝を伝えることができる

周年記念は、これまで自社に関わってくれた取引先や顧客、株主などのステークホルダーへ、感謝を伝える機会としても最適です。そのため、記念式典を開催して関係者を招待したり、ノベルティグッズを配布したりする企業も多くあります。BtoCの企業の場合は商品・サービスの割引キャンペーンを開催して感謝を伝える方法もあります。また、プレスリリースに代表からのあいさつを掲載することで、多くのステークホルダーに感謝の気持ちを伝えるということができるので、代表からのメッセージを掲載するのはおすすめです。

メリット3.周年記念の特別企画を告知できる

周年記念をフックにした特別企画を行う企業も多く、イベントやキャンペーンの開催をはじめ、限定商品の発売や公式サイトのリニューアルなど、その企業らしさの出る企画が実施されるのが一般的です。プレスリリースではそれらの特別企画を宣伝することができるため、集客や販促など、直接的なメリットが期待できます。内容によっては多くのメディアに取り上げられる可能性もあるため、自社の認知拡大に貢献するでしょう。

周年記念に関するプレスリリースに盛り込みたい3つの項目

周年記念に関するプレスリリースでは、どのような内容を訴求すべきでしょうか。ここでは、必ず入れたい3つの項目について見ていきます。

項目1.会社の歴史・感謝のメッセージ

大切なのが感謝のメッセージです。中には記載していないプレスリリースもありますが、周年記念のプレスリリースとしては重要な要素なので、記載するのがおすすめです。その際、これまでどのように成長してきたかなど、会社や事業の歴史と合わせて展開してみてください。お付き合いが長い方にとっては、歴史の中でどこで、どんなふうに関わってきたのかを振り返る機会になります。

また、メッセージについては、誰に向けたものなのかをわかりやすく記載するとよいでしょう。例えば、BtoCの商品販売をメインにしている企業の場合、「お客さまへの感謝」を表しているケースが多く見受けられます。複数の商品がある際は、それぞれのエピソードを入れることで、各商品のファンに想いを伝えることができます。また、BtoB向けの商材を扱う場合には、前述の会社や事業としての歴史と重ね合わせてて伝えるとよいでしょう。代表からのあいさつ、これからの展望について合わせて掲載すると、より感謝の想いが伝わりやすいです。

項目2.周年記念の概要

周年記念には、創立、創業、サービス提供開始などさまざまなものがあるため、まずは何の周年なのかを明記することが第一です。また、自社のことを知らない方に向け、会社や事業概要も必ず記載しましょう。1周年、5周年、10周年……と、節目ごとに行ってきたこれまでの周年記念の概要も合わせて紹介すると、より周年記念の意義や会社としてのメッセージが伝わります。

項目3.特別企画の紹介

顧客を巻き込んだイベント、キャンペーン、限定商品の発売などを行う場合は、プレスリリースにその参加方法や購入方法などの詳細をわかりやすく記載することが重要です。特設サイトがある場合はそこへの誘導も有効ですが、階層が増えることで離脱してしまうケースもありますので、申し込みなのか、キャンペーンへの参加なのか、相違が生まれないように記載しましょう。

また、周年記念をきっかけにリブランディングを行うケースもよくありますが、その場合は変更した点を図やイラストなどを用いて説明するとよいでしょう。そこに込めた想い、携わった担当者からのメッセージなども丁寧に記載することが大切です。

周年記念に関するプレスリリースが記事化される3つのポイント

周年記念についてのプレスリリースを配信し、それをメディアに取り上げてもらうには、目に留まるための工夫が不可欠です。ここでは、プレスリリースがメディアに掲載されるために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

ポイント

ポイント1.周年記念の特別企画

周年記念にちなんだ特別企画を行うのも効果的です。代表的なものとしては、イベントやキャンペーン開催、限定商品の発売、ノベルティのプレゼントなどがあります。BtoB企業の場合は顧客を巻き込んでの企画は難しい面もあるかもしれませんが、その企業の特徴が表れる企画であることが重要なので、その点を重視して日頃の感謝や企業としての姿勢、期待感を伝えられるような企画にするとよいでしょう。そのほかにも、BtoBの場合、顧客となる企業に協力をしてもらい、対談の実施、自社メディアへの掲載や広告に掲載するのも、話題づくりとしておすすめです。

イベントやキャンペーンを実施する場合は、著名人をアンバサダーやゲストに迎えて話題性を生むという手法も。限定商品やノベルティは、写真映えするものにするとSNSで注目されやすいでしょう。また、社内に対するイベントについては実施後のレポートも検討してみてください。

ポイント2.配信のタイミングを企画の日程に合わせて調整する

周年記念企画をプレスリリースで告知する際、その配信のタイミングも重要です。特に複数の企画を用意している場合、すべての企画を1つのプレスリリースに掲載してしまうと、実施日まで時間が空いてしまい、告知の効果が薄れてしまうことも。ただ、実施日から近すぎてもメディア掲載に間に合わない可能性があるため、企画の実施日と配信日をうまく調整することが重要です。ニュース性を持たせることができるなら、複数回に分けて配信することも検討するとよいでしょう。なお、タイトルに実施日を含めると、メディアの方の目に留まりやすくなるのでおすすめです。

ポイント3.実施レポートをプレスリリースで配信する

社内や関係者を招待した記念式典を開催する場合は、事前にプレスリリースを配信し、当日取材に来てもらうことが重要です。さらに事後レポートも配信することで、当日に認知されていなかった、もしくは予定が合わなかったメディアに対してもあらためてアプローチができます。当日の様子が写真とともに詳しく紹介できるため、伝えられる情報量も豊富。スチール写真はもちろん、動画での様子なども加えることで、メディアも取り上げやすくなるでしょう。また、周年記念を機に企業ロゴやステートメントなどをリブランディングする場合も、式典のレポートとともに発表すると効果的です。新たなスタートを強く印象付けることが期待でき、メディアの注目度が高まります。

周年記念に関するプレスリリース事例10選

ここでは、過去に配信された周年記念に関するプレスリリースをご紹介します。参考にしたいポイントをピックアップしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

事例1.株式会社グレープストーン:開業110周年記念で限定「東京ばな奈」発売

  • タイトルだけで企画の概要がわかり、目に留まりやすい
  • 商品やノベルティの写真を大きく魅力的に掲載している
  • 購入できる場所が一覧になっており、わかりやすい

参考:【東京駅開業110周年記念】「東京ばな奈」から限定パッケージが新発売!オリジナルステッカーもついてくる

事例2.株式会社サイキンソー:創業10周年を機にコーポレートサイトを刷新

  • 企業の歴史を図とともに紹介し、視覚的に理解できるようになっている
  • コーポレートサイトを刷新した目的をしっかり説明し、どこが変わったのかがわかりやすい
  • 代表取締役と副社長のコメントを掲載し、信頼感を与えている

参考:サイキンソー、創業10周年のお知らせ。

事例3.株式会社京王百貨店:開店60周年記念イベント「京王大誕生祭」を開催

  • ゲストや商品の写真を掲載することで、パッと見ただけで内容がイメージしやすい
  • タイトルに実施日を入れているため、目に留まりやすい
  • イベント概要をPDFでダウンロードできる

参考:11月1日、京王百貨店新宿店は開店60周年を迎えます「新宿店 開店60周年記念 京王大誕生祭」を開催

事例4.両備ホールディングス株式会社:創立115周年で新キャラクター誕生

  • 周年記念を機に、新タグラインや新キャラクターを発表
  • 新キャラクターをデザインしたバスを運行し、顧客との接点をつくっている
  • バスの多様な角度からの写真を掲載し、魅力を伝えている

参考:両備グループ115周年を機に誕生したキャラクター「Rちゃん」記念バス運行開始 安全のために死角ゼロのAI機能搭載車内デジタルインナーミラーと衝撃吸収床材採用

事例5.株式会社鎌倉紅谷:創業70周年で「クルミッ子」の限定商品を発売

  • 人気商品の周年記念ロゴ入り商品を発売し、ファンの期待を高めている
  • さまざまなパターンの商品写真を掲載し、メディアで活用しやすくしている
  • お店や商品の歴史を紹介し、信頼感を与えている

参考:鎌倉紅谷 創業70周年記念商品「70周年記念おいしさの詰合せ 和〈NAGOMI〉/彩〈IRODORI〉」

事例6.日の出屋製菓産業株式会社:創業100周年記念で地元企業とコラボ

  • 地元の企業とのコラボという地域性がフックとなっている
  • お菓子とお茶のペアリングという、菓子メーカーならではの独自性のある企画
  • 店内やお茶の写真を多数掲載し、どんなイベントなのかがイメージしやすくなっている

参考:創業100周年企画【日の出屋製菓×藤岡園コラボイベント】ささら屋富山婦中店にて「藤岡園のお茶と楽しむ おこめぢゃやのスイーツフルコース~スイーツに合うお茶とのペアリングで優雅な時間を~」開催!

事例7.株式会社OsidOri:サービス提供5周年に企業ロゴ・アイコンをリニューアル

  • サービスの実績を数字で紹介し、事業の成長を視覚的に伝えている
  • お客様アンケート結果からサービスの評価を発表し、高評価を印象付けている
  • 代表のコメントを掲載し、信頼感を与えている

参考:おかげさまで5周年。これまでの実績とお客様の声、そして新ブランドリリースのご案内

事例8.日清シスコ株式会社:創業100周年限定グッズをプレゼント

  • タイトルに「100年」を3回入れ、長い歴史を印象付けている
  • キャンペーンを表すアイキャッチをトップに配置し、メディアで使いやすい素材を提供している
  • 親しみのある商品にちなんだグッズで、キャンペーンの訴求力を高めている

参考:次の100年も、“もっと楽しく、健やかに”!100周年限定グッズが当たる!「日清シスコ100周年 たのシスコプレゼントキャンペーン」 を12月3日(火)からスタート

事例9.株式会社IN:アパレルブランド3周年企画でゲストと鼎談

  • 周年企画として鼎談を実施し、プレスリリースで配信するという独自性のある企画
  • 鼎談の中で、ブランドや企業の特徴をPRしている
  • ブランドイメージを伝えるおしゃれな写真を複数掲載し、視覚的に魅力を伝えている

参考:アパレルブランドKnuth Mar3周年企画 / 夢は今の仕事を長く続けること——藤原さくらとKnuth Marfが語る「続ける力」

事例10.モバイル・インターネットキャピタル株式会社:創業25周年記念パーティーを開催

  • 記念パーティーの事後レポートを配信し、当日の様子がわかるようになっている
  • 登壇者のあいさつの要約を掲載することで、社風が伝わってくる
  • 会社の沿革や今後の展望を記載し、期待感を醸成している

参考:IT・テック系企業への投資に注力するベンチャーキャピタルMIC、創業25周年のお知らせ

周年記念実施時に広報が行いたい3つの広報施策

周年記念時には、プレスリリース配信以外にも広報PR活動を実施するのがおすすめです。ここでは3つの項目に分けて解説します。

1.インナーブランディング

周年記念は、全社でこれまでの歴史や実績を振り返り、めざすビジョンをあらためて共有するよい機会です。インナーブランディングとしても非常に有効なので、社員総会として式典を行ったり、ノベルティを制作して配布したりといった、さまざまな取り組みが行われています。また、周年記念を機にリブランディングを実施する企業も多いため、社内周知の取り組みも含めて企画することが重要です。

参考:社員総会とは?開催の目的・時期・内容と、企業の実施例3選

参考:周年記念の記念品は何にする?作製するポイントや人気のアイテムを紹介

2.周年記念ロゴの作成

企業のロゴに「周年」を入れるなど、その年限定で周年記念ロゴを作成、使用する企業も多いでしょう。企業パンフレットや公式サイトなどに加え、ロゴ入りのグッズを制作して社内外に配布することも可能です。ただ周年記念がひと目でわかるというメリットがある一方で、周年記念年が終わってからの運用に手間取ることが懸念されます。そのため、あらかじめ周年記念ロゴの使用規定を周知し、プレスキットを作成しておくとよいでしょう。また、事例4で紹介した両備ホールディングス株式会社のように、周年のコンセプトなどを反映したキャラクターも合わせて検討してみてください。

3.周年記念サイト・ストーリーの公開

長い歴史のある企業は、周年記念のサイトを公開するケースもあります。企業の歴史を振り返り、これまでの歩みをストーリー形式で紹介したり、商品の変遷を写真とともに辿ったりと、長く応援してくれているファンの方が喜ぶコンテンツを盛り込むことで注目を集めます。周年記念を機にリブランディングを行う場合も、サイト内で変更内容を詳しく紹介することができます。

まとめ:プレスリリースで周年記念を広く認知してもらおう

周年記念をプレスリリースで発信することは、企業の歴史や事業の実績を広く伝えるよい機会です。周年記念に関連させることで、限定商品やイベント・キャンペーンの告知もしやすくなるため、販促や集客の面でもメリットがあります。また、リブランディングを発表するタイミングとしても最適なので、リブランディングを考えている企業は周年記念に合わせて企画を考えるのもよいでしょう。

周年記念は広報PR担当者にとって重要なタイミングです。さまざまなPR企画を同時に進行し多忙になるかもしれませんが、プレスリリースの配信は必ず行いたい施策のひとつ。配信する際にはメディアで記事化されやすい要素をしっかり盛り込み、認知拡大につなげることが大切です。

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この記事のライター

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