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違いこそ、55ブランディング。記憶に残る「ならでは」の仕掛け|株式会社ゴーゴーカレーグループ

2004年に1号店をオープンして以来、「美味しいカレーで世界に元気を届ける!!」をミッションに掲げるゴーゴーカレーが、20周年を迎えました。

昨年3月に創業者の宮森宏和氏から受け継ぎ、AppleやGoogleなどIT業界で活躍してきた西畑誠氏がCEO兼代表取締役社長に就任。アメリカに8店舗、インドネシアには先月11店舗目をオープンし、海外展開を進める中、IT技術を導入することでより一層の事業の拡大、社内のDX化など外食産業としての新たな取り組みも期待されています。

本記事では、「ほかとの違いこそがブランディング」と語る西畑さん(通称:だんじさん)にゴーゴーカレーグループの独創的で遊び心あふれるブランディング施策を伺いました。

株式会社ゴーゴーカレーグループ(石川県金沢市):最新のプレスリリースはこちら

株式会社ゴーゴーカレーグループ CEO兼代表取締役社長

西畑 誠(Nishihata Makoto)

1973年福岡県北九州市生まれ。日本の大学を卒業後渡米。米国 MBA 修了後帰国し、2001年よりヤフー、アップル、グーグル、メルカリの大手 IT企業の成長期に参画。2021年より米国フードデリバリー最大手ドアダッシュ、その後買収したウォルトで日本の経営陣として法人ビジネスを拡大。2023年1月ゴーゴーカレーに入社し、同年3月より現職。

大切にしているのは「満足度」と「ご縁」

──西畑さんは周りから「だんじさん」と呼ばれているそうですが、今日は「西畑さん」「だんじさん」どちらでお呼びすればよろしいでしょうか。

「だんじ」でお願いします。学生時代に「九州男児」にちなんで名付けられたニックネームで、マイブランディングなんです。

──では「だんじさん」と呼ばせていただきます。はじめに、だんじさんが仕事で大切にされていることや続けていることをお聞きしたいです。

大切にしているのは「満足度」ですね。従業員をはじめ、お取引先やお客さまが求めていることに対して、十分に応えられているのかを常に考えながら仕事を進めています。例えば、お客さまが2回目以降店舗に足を運んでくださるのは満足しているから。ゴーゴーカレーに、「1週間に1度は行きたい」「2、3日に1回は食べておきたい」と思っていただける商品やサービスを提供することを常に意識しています。

続けていることは「ご縁」を大切にすることですね。私は社会人になる直前に空手を習っていた師範から人とのご縁がとても大切であること、ご縁を大切にすることで良いことがあると教わりました。それが今でも活かされていて、以前仕事で付き合いのあった方から連絡をいただき、新しい仕事につながったこともありますし、助けられていることがたくさんあります。ゴーゴーカレーとの出会いもそうです。創業者と出会ったのが17、8年前で、それから頻繁に連絡を取り合っていた中で、今回のようなご縁をいただきました。それを考えるとやはり人とのご縁を大切にしてきて良かったなと思いますし、これからも続けていきたいですね。

株式会社ゴーゴーカレーグループインタビュー01

日本のカレーのポテンシャルに惹かれてIT業界から転身

──だんじさんといえば、IT業界でさまざまな企業の成長期に参画していたキャリアが印象的です。どのように事業や企業、お仕事を選んできたのでしょうか。

日本の大学を卒業後、1996年にシアトルのビジネススクールに留学したことから始まっているのですが、時代はちょうどシアトルに本社を構えるMicrosoftがWindows 95を発売した翌年で、家庭にインターネットが普及し始めたタイミング。同級生にすすめられて、同じくシアトルのAmazonのサイトを見てみると、検索すればほしい本が一発で見つかり、オンラインでそのまま購入できる。それを見たときに「これだ!」と思いましたね。そして、帰国後の2001年にヤフーに入社し、IT業界でのキャリアをスタートしました。

その後は、AppleやGoogleなどIT企業を中心にキャリアを積んでいきましたが、振り返ってみると、その時々のタイミングで、これからの可能性が広がっている会社や仕事を常に選んできたように思います。ゴーゴーカレーも同じで、ここから世界に挑戦できる可能性がある会社だと思って入ったんです。

──ゴーゴーカレーのどのような部分に可能性を感じたのでしょうか。

今、世界中で日本食がブームとなっており、2023年時点で海外の日本食レストランの数は18万7000店(※1)、2021年の前回調査と比べても約2割増加しています。2022年に発表された「世界最高の伝統料理(※2)」で、日本のカレーが1位に選ばれ、話題になったことで、日本食の中でもカレーライスビジネスの可能性を感じました

イギリスでは「カツカレー」というワードがひとり歩きして、カツの有無にかかわらずカツカレーと呼ぶそうです。そういう話を耳にすると、ゴーゴーカレーが早く欧州に出店して、本当のカツカレーを味わってもらいたいという思いにかられますね。

また、カレーのレトルトパックは常温で輸送がしやすく、なおかつ保存期間が1年半と長いことも大きな魅力。日本でつくって世界中に送るだけで、美味しいカレーが提供できるわけです。普通の料理なら、冷凍や冷蔵で運ばなくてはいけないですし、賞味期限も長くはないのでそうはいきません。このスケールメリットの大きさにポテンシャルを感じたんです。伸び代しかないな、と。

※1 農林水産省「海外における日本食レストラン数の調査結果(令和5年)の公表について」より
※2 伝統的な料理に関する体験型旅行サイトTaste Atlas「Best Traditional Food in the World(世界最高の伝統料理)」より

──物事の先を見る目と行動力が、本当に素晴らしいなと思います。何がだんじさんの原動力になっているのかお聞きしたいです。

「常に自分を成長させたい」という思いではないでしょうか。ヤフーに入社してインターネットの基礎を理解すると、次は営業を学び、ビジネス英語を使いたいと思い、Appleに入社。その当時の会議は電話を使ったテレフォンカンファレンスが主流で、ボディランゲージや表情で伝えることはできず、言葉だけで伝えなくてはいけなかったため、英語力がとても鍛えられましたね。外資系でもやっていけるという自信がつき、今度はさまざまな要素をブレンドした経験を積みたいと思いGoogleに転職しました。

常に自分を向上させたいという思いをモチベーションにしながら、キャリアを積み重ねてきたと思います。

株式会社ゴーゴーカレーグループインタビュー02

自分自身が自社商品を心から好きになる

──お客さまや周囲の方との接点の持ち方でどのようなことを大切にされていますか。

これまでの経験を通して一貫して感じていることでもありますが、自社の商品やサービスを自分自身が心から信じていなければ、お客さまに提供することはできないと思っています。

「この商品おすすめです」と言っても、自分が使ってもいない状態では本当の良さは伝わらないですよね。自分自身がその商品を好きで好きで仕方なくて、実際に使って本当に便利だと思っていなければ、本気でセールスをすることはできないと思います。

本当に好きなものでなければ売らないですし、それ以前にその企業にも携わらないということを今でも大切にしています。

──ゴーゴーカレーも、もともと大ファンだったと伺いました。

初めて食べたとき、本当に美味しいと思ったんです。金沢カレーの特徴でもあるドロっとした濃厚なルーがガツンときてすっかり好物になりました。入社前から自宅には常にゴーゴーカレーのレトルトがストックしてあります。

私だけではなく家族も大好きなので、休日はお昼にゴーゴーカレーを食べるのが当たり前。それぐらい大好きなゴーゴーカレーを、世界に広めたいと思って今は頑張っています。お客さまや友人に話すときもそのぐらいの勢いで話しちゃいますね。

大切なのはほかとの「違い」を覚えてもらうこと

──冒頭で「『だんじ』はマイブランディングだ」とおっしゃっていましたが、会社のブランディングについてはいかがでしょうか。どのようなポイントが大切だと思いますか。

ブランディングは、いかに差別化し、覚えていただくかだと思うんです。ゴーゴーカレーのほかとの違いは、パッケージにも書いている「クセになる味」ですね。あと、黄色の背景にゴリラのロゴマークは強烈なインパクトになっていると思います。一度見たら、きっと忘れられないと思いますし、ゴリラを見るとゴーゴーカレーを想起するぐらいのブランディングはできているのではないでしょうか。

もうひとつは、数字の「5」への強いこだわりを全面的に出しているということ。ゴーゴーカレーの創業は、当時ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手の活躍がきっかけで、松井選手の背番号「55」にあやかり2004年5月5日に1号店を立ち上げました。もちろん、ゴーゴーカレーという社名も背番号からきています。

そして、カレーをつくる際にも55工程を経て、5時間かけて煮込み、55時間かけて熟成させるなど、とことん「5」にこだわっているんです。

──毎年、5月5日には「ゴーゴーバースデー」というユニークな施策もされていますね。

ゴーゴーカレーでは、毎月5のつく日には「ゴーゴーデー」といって、トッピング券を1枚プレゼントしているんですが、5月5日の「ゴーゴーバースデー」には、全国のゴーゴーカレーで5枚つづりのトッピング券を配布しています。

「5」にこだわりを持っていることがかなり広く認知されていますが、これも差別化、ブランディングの効果だと思います。

参考:祝20周年、​​5月5日はゴーゴーカレーの日!能登復興を支援する「復カツカレー」の提供やトッピング券5枚を進呈する「ゴーゴーバースデー」を開催​​

株式会社ゴーゴーカレーグループインタビュー03

世界一の「カレーの専門商社」を目指す

──最後に、ゴーゴーカレーグループの今後の展望についてお話しいただければと思います。

1号店がオープンして20年が経ち、昨年3月からは私がCEOに就任して経営体制は変わりましたが、カレーで「世界に元気を届ける!!」というわれわれの普遍的なミッションは変わっていません。今まで築いてきたゴーゴーカレーのブランドや商品の良さを引き継ぎ、ここからあらためて世界一のカレーの専門商社を目指しています。

昨年は、飲食以外の業種・業界からも多くの新しい仲間を招き入れ、テック企業のようにITツールを使っての業務効率化を図り、店舗スタッフ以外はリモートワークを中心とした働き方に移行しています。社員の目標管理にはOKR(Objectives & Key Results​​)を導入、効果的なコミュニケーションとして「1on1ミーティング」も実践し、新しいステージに向けた土台が築けてきたと実感しているところです。

昨年が旧体制からの引き継ぎ移行期とするならば、今年は本格的に「ゴーゴーカレー2.0」が始動する重要な1年だと思っています。

株式会社ゴーゴーカレーグループインタビュー04

まとめ:「55」へのこだわり、差別化を図るブランディング

現状に満足することなく常に成長を目指し、さまざまな大手企業で研鑽を重ねられただんじさん。「好きなものでなければ携わらない」という言葉からは、経験に裏打ちされた自信が感じられました。また、20周年を迎えたゴーゴーカレーのブランディングに関する考え方や施策は、飲食業界のみならず参考になる点が多かったのではないでしょうか。

  • 顧客や従業員の満足度を常に考え、商品やサービスの提供に努める
  • 自らが自社の商品やサービスのファンになって周囲を巻き込む
  • 「違い」を覚えてもらえるようにほかとの差別化を意識する
  • 数字・ロゴなど覚えやすく繰り返す施策でブランディングを図る

世界一の「カレーの専門商社」を目指し、海外進出を加速させるほか、国内外の食に関するイベントにも積極的に参加していくそうです。海外でも同社のインパクトのあるゴリラのロゴをたくさん見かけるようになる日も近いかもしれません。同社の事業のさらなる躍進、独創的なブランディング施策に注目です。

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この記事の監修者

丸花 由加里

丸花 由加里

PR TIMES MAGAZINE編集長。2021年、PR TIMESに入社し、「PR TIMES MAGAZINE」、ご利用企業向けのコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」の企画・運営を行う。2009年に新卒入社した大手インターネットサービス運営会社では法人営業、営業マネージャーとして9年半、その後オウンドメディアの立ち上げに参画。Webコンテンツの企画や調査設計に携わる。メディアリレーションズを主とした広報を経て、現職。

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