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ひとり広報向け成果につなげる関係構築やマインドセットの方法|ハッシン会議×理想実業

ひとり広報の方は特に社内にノウハウがなく、指導者もいない場合、どのように広報PR活動を行うべきか迷う場面もあるのではないでしょうか。

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESは、2月6日に「ひとり広報必見!成果につなげるための社内外の関係性構築術」をテーマとしたユーザー会を実施。広報PRのコンサルティングを行う株式会社ハッシン会議の井上千絵さんと、全国で飲食店を展開する株式会社理想実業の大林大輔さんに登壇いただき、ひとり広報となった場合のマインドの持ち方や、関係構築の重要性などについて伺いました。

当日、お話いただいた内容を元にまとめています。

株式会社ハッシン会議 代表取締役

井上 千絵(Inoue Chie)

2007年名古屋テレビ放送株式会社入社、報道記者として7年、その後2年は宣伝広報に従事。2010年から2年間は局を代表してテレビ朝日「報道ステーション」にディレクター出向。2016年に退職後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科にて修士号取得。企業の広報組織づくり&広報人材育成を伴走する株式会社ハッシン会議を2020年に設立し、これまで約100社の中小企業、スタートアップ企業を支援。書籍『ひとり広報の教科書 知識ゼロからでも自信を持ってPR活動ができる!』(日本実業出版社)が1万部突破のベストセラーに。

株式会社理想実業 広報課 課長

大林 大輔(Obayashi Daisuke)

元株式会社NATTY SWANKYホールディングスひとり広報。大学時代からフリーアナウンサーとしてバスケットボール等の取材に従事し、テレビ業界では制作等を経験。その後、コンサルティングファームや餃子、ラーメンチェーン店でIRや広報PRの課長として参画。年間のテレビ取材を40件獲得し、現在は幅広いマスコミュニケーションが強みの外食企業の広報PRパーソン。

ひとり広報になったらまず経営層と目線合わせを

──今回はひとり広報がテーマですが、ひとり広報になったらまず何から始めればよいでしょうか。

井上さん(以降、敬称略):私がおすすめしているのは、「①広報活動の目的」「②1年後の広報PR活動のゴール」「③広報活動の課題」の3つについて、経営層と目線を合わせることです。事業部の責任者と話したり、事業計画書を読んだりして得られることも多いですが、この3つの目線が合わないまま進めると、広報迷子の状態になってしまいます。

大林さん(以降、敬称略):その通りですね。私が特に大事にしているのは、「①広報活動の目的」です。なぜ私がいるのか、何のために広報PR活動をするのかということを、経営層にしっかりヒアリングして決めるようにしています。以前広報を担当していた「肉汁餃子のダンダダン」では、私が入社するタイミングでできた社長室に広報機能を持たせていました。当初は広報以外にもかなり多くの機能を持たせていたのですが、私ひとりで担うのは到底無理です。どの機能を優先的にやっていくかを整理するところからのスタートでした。

──経営層との目線合わせができたあとは、どのように広報PR活動を進めていけばよいでしょうか。

大林:私の場合は、社長室や広報がどういう役割なのか、ほとんどの方が知らない状態でしたので自分の役割を周囲に伝えることに集中しました。一例として、エレベーターホールで役員の方や本部長クラスの方がいたら、とにかく話しかけるというロビー活動があります。お忙しい方々なので、立ち止まってはくれずそのまま歩いて行ってしまうのですが、その後をついて行って「こういう番組出たくないですか」などと話しかけていました。結果的に、喫煙所や喫茶店までついていくなんてこともよくありましたが、そうやって働きかける中で自分の存在を知っていただき、各部署に広報対応をしてくれる人を作っていきましたね

井上:社内コミュニケーションをどうやっていくかというお話、とても参考になりますね。

私がおすすめしているのは、1on1ミーティングです。特に着任したてのケースでは、短い時間でもいいので、まず全部署の方とお話しいただく。ただ、会社の規模が30名以上になるとかなり時間がかかってしまうので、大規模な会社の場合は少なくとも各部門長やマネージャークラスの方と行うのがよいと思います。これも大林さんからお話があったロビー活動と同じで、自分が広報PR担当者として動いているということを知ってもらうのが目的です。自分のことを知ってもらい、相手との共通点を見つけることで、その後のコミュニケーションを一気に活性化させることができます。

さらにミーティングの中で日頃の広報PR活動で起きた変化を伝えることで、広報PRの意義を知ってもらうきっかけにもなります。これは、「SNSでこんなポジティブな口コミがありました」「採用サイトでこんないい評価がついてます」など、小さなことでもよくて、変化を伝えていくことが協力してもらえる環境につながっていくはずです。

大林:社内の協力がない限り、メディア掲載はかなり難しく、社内広報をしっかりやっておくことは社外広報の成果につながっていきますね。当時、年間1~2件だったテレビ取材はその後30件ほどに増加し、社内の協力のおかげだと実感しています。

株式会社理想実業 大林氏

ひとり広報として孤独感を抱かないマインドセット

──ひとり広報の悩みとして、孤独感を抱きやすいというのをよく伺います。ひとり広報のマインドの持ち方についてはいかがでしょうか。

井上:ひとり広報の方に伴走していると、社長の理解が得られないという悩みをよくお聞きします。社長にやりたいことを提案しても、「それって効果はあるの?」と言われてしまったり、他の部署の方々も、なかなか協力してくれなかったりして、孤独感につながってしまうようです。担当者が他の部署に協力を求めるのはもちろん大事なのですが、やはり全社的に広報PRを強化するのであれば、トップダウンが圧倒的に強いんですよね。広報PR担当から、「ここは社長から全社に協力を呼び掛けてほしい」と伝えられるような流れを作れるといいですよね。

──ひとり広報では、タスクオーバーになりがちというのも多い悩みですよね。

井上:いろんな業務がある中で、「今これを優先的に取り組んでいる」ということを、いかに見える化できるかが大切だと思います。広報PR活動の目的について社長と合意できていれば、今自分がやるべきことを共有しやすいのではないでしょうか。

また、優先順位を決める際、本当に自分にしかできないことなのか、他の方にも任せられることなのかを見極めることも必要です。広報PR担当だからといって、広報業務全般をやらなくてはいけないと思わないほうがいいと考えています。例えば、プレゼン資料を作る、チラシのデザインを作る際にフォントや写真の配置ですごく悩んだ場合、もしかしたら得意な方が周りにいるかもしれません。自分ひとりだけではなく、社内でできるかという視点を、ぜひ持っていただきたいなと思います。

株式会社ハッシン会議 井上氏

他社との交流から自社の成果へつなげる

──ひとり広報の方にとって、他社の広報PR担当者との関係づくりも重要ですよね。

井上:そうですね。仲間づくりはとても大切だと考えています。メディアの立場としては、営業・宣伝のように映ることを避ける必要があるため、特に報道や情報番組、新聞などでは1社だけを取り上げるのが難しく、象徴的な3社を紹介することが多いです。その点を踏まえ、メディアへ複数社で情報提供できれば1社の話としてではなく、業界の傾向として取り上げやすくなると思います。

ほかにも、メディア側から「今こういう取材先を探してるんですけど」と広報PRへ相談いただくこともあるので、横のつながりがあるとその恩恵を受けられるケースも非常によくありますね。

大林:確かにそういうケースは結構多かったですね。私の場合は、自社の店舗に他社の広報PR担当者の方をお招きし、食事をしながらお話しすることもあります。何か共通項がないか、アプローチしたいメディアさんはどこか、といったいろんな話を共有することで、成果につなげられた事例もたくさん生まれています。

株式会社ハッシン会議 井上氏

ひとり広報のメディアリレーション成功法

──最後に、メディアリレーションを築くときのポイントについて伺いたいです。

井上メディアリレーションとしてまず押さえていただきたいのは、メディアによって求めている情報が全然違う、ということです。例えば、「働く女性」という同じテーマでも、日本経済新聞であれば「女性活躍推進による業績への影響」、日経ウーマンであれば「女性リーダーのキャリア形成や仕事と家事の両立」などと切り口が変わると思います。どのメディアにも同じ内容で一斉にプレスリリースを配信されている企業が多いと思うのですが、ここにもう少しパワーを割き、メディアに合わせて情報を切り分けて提供いただくと、より目に留まりやすくなるはずです。

それからBtoBの企業におすすめなのが事例紹介です。自社の商品・サービスだけを伝えても、取材につながることって少ないですよね。特にBtoBになると非常に専門的な内容であることが多いので、社会にすんなり理解してもらうのは難しいです。ただ、自社のサービスを使ったお客さまの事例であれば、確実に掲載の可能性が高まります。ユーザー事例・導入事例は本当に宝になりますので、この視点でまだまだ掘り起こしていける企業は多いのではないかと思っています。

大林:私の信条なのですが、メディアに「取り上げてもらう」という考えを捨てることを意識しています。やってもらうという考えが強いと、向こうは向こう、うちはうち、みたいな感じで隔たりができてしまうと思うからです。もちろん、あくまで私は広報という立ち位置ですが、メディアの方と一緒に番組ないし、記事を作っているという心持ちでいるのはすごく大事だと思うんです。例えばテレビの現場では、制作陣だったり、アナウンサーやキャスターだったりといろんな方々がいます。それぞれの役割が違うだけで一つの番組を作っているというのは同じです。そういった考えを先にしっかりお話ししたうえで、一緒に良いものを作りましょう、とお伝えする。こういう姿勢を徹底していると、自分と同じことを考えてる方と出会えると思っています。

まとめ:社内外の関係を構築して成果につなげよう

お二人のお話から、ひとり広報として活動する際は、まず経営層と広報の目的や目標をしっかり共有することが重要なのだとわかりました。また、社内で広報の意義や役割を理解してもらい、他部署と協力しやすい環境を作ることも大切です。

さらにメディア掲載につなげるには、他社の広報PR担当者と交流することで、情報交換するのも効果的。仲間が増えることで支え合うことができ、ひとり広報の孤独感の解消につながるかもしれません。メディアとの関係構築のポイントも紹介いただいたので、それらを参考に、ぜひ効果的な広報PRを実践してみてください。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

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『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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