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新規プラン提供開始のプレスリリースの書き方とポイントは?事例とあわせてプレスリリースエバンジェリストが解説|小林美穂

企業にとって既存サービスの新規プランの発表は、事業の方向性をも示す大切な内容でありながらも、なかなかニュース性を見いだせないなどプレスリリースの配信機会として課題を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、株式会社クラスで広報PRを担い、初年度よりPR TIMES公認プレスリリースエバンジェリストとしても活動する小林美穂氏に、単なるお知らせに終わらせない既存サービスにおける新規プランのプレスリリースの配信ポイントを執筆していただいています。

株式会社クラス 広報

小林 美穂(Kobayashi Miho)

建築科を卒業後、CADオペレーター、エンジニアアシスタント、大手レコード会社宣伝部、士業特化の人材紹介などを経て入社した保育DXスタートアップで自ら立候補し、広報職に就く。2020年8月、個人・法人向けに循環型の家具と家電のレンタル・サブスク「CLAS(クラス)」を提供する株式会社クラスにひとり目のインハウス広報として入社し、ToC、ToB、コーポレートを担当。

既存サービスの新規プランのプレスリリース配信するメリットと配信基準

みなさんは、既存サービスの新規プランや新機能追加といった際にプレスリリースで情報発信はしていますか。

機能のアップデートなどは随時行っていると思いますが、その中でもこれから紹介する内容を意識してプレスリリースを作成すると、メディア掲載や取材につながりやすい情報発信になります。

この記事では、既存サービスの新規プラン提供開始をメディア掲載につなげるコツや、SNSでの情報拡散について解説します。

新規プランのプレスリリースを配信するメリット

「新サービス・商品の発表」とは異なり、既存サービスだと「この程度でプレスリリースを配信する意味はあるのかな?」と思うかもしれません。しかし、自社内で当たり前のことも、メディアの方や社外の方からするとニュース性があったり、求めていた機能であったりするケースがあります。

新規プランのプレスリリースを配信する配信基準

  • 新規性
    既存サービスでも、業界初の新機能や自社初の取り組みなど新規性の高い情報であれば、メディアに興味を持たれ、取り上げてもらいやすい傾向にあります。
  • ニーズの高さ
    どのような需要があるのかといった提供開始の背景を、ユーザーアンケートや導入実績といった具体的なデータを活用して示すことで、より説得力のある情報となります。
  • 季節性
    既存サービスであれば、需要が高まる時期も把握していると思います。季節性と自社の需要期に合わせた情報を発信することで、取り上げてほしい内容でのメディア掲載が獲得しやすくなります。
    (例:新生活、引っ越しなど)

また、加えて、新規プランの提供開始の際のプレスリリースには、以下3点を盛り込むようにしてください。

  • ひと目でプラン内容がわかる画像・グラフ
  • 新旧プランのご利用ユーザーの比較
  • 利用ユーザーの声

プレスリリースのすべてのテキストを読まなくても、新規プランの内容がひと目でわかるような画像やグラフを用意しましょう。また、β版などを先行して提供開始した場合は、旧プランと新プランのご利用状態を比較したデータなど変化を伝えることも大切です。さらに、新規プランを選択したユーザーの割合やユーザーの行動変容、ユーザーの実際の声などを入れると、より説得力のある内容となります。

下記『PR TIMES MAGAZINE』の新機能追加のプレスリリースの書き方の記事は、新機能提供開始にも転用できるのでご参照ください。

新規プラン提供開始に関するプレスリリース作成時の4つのポイント

プレスリリースは、新規プランの魅力を迅速かつ効果的に伝えるために重要なツールです。

新規プラン提供開始のプレスリリース作成において、メイン画像やタイトル、提供開始の背景、そして配信時間など、プレスリリースを作成する際に押さえておくべき4つのポイントをご紹介します。

これらのポイントを意識することで、より多くのメディアに注目され、効果的な発信ができるでしょう。

ポイント1.メイン画像

メイン画像はプレスリリースの顔です。

クラスでは新規プラン提供開始の場合、どんな機能かわかりやすいテキストを入れて、社内デザイナーに作成してもらっています。

PR TIMESで配信したプレスリリースはSNSでシェアされてより効果を発揮するので、拡散されたSNSの投稿で表示されるメイン画像を見ただけでも内容が伝わるようにします。

ポイント2.タイトル

タイトルだけでどんな機能が追加されたかがわかるよう、簡潔にまとめます。

また、タイトルの段階で興味を持ってもらえるよう、「待望の」「簡単に」「おトク」など、キャッチーなワードを入れ込むのもポイント。読み手の目に留まりやすいよう、タイトルを作成しています。

ポイント3.提供開始の背景

「新規プラン」の内容を正しく伝えることはもちろん必須ですが、ただ内容を載せるだけではなく、なぜ新規プランを提供開始するのかなどといった背景が伝わるように記載しましょう。担当者や担当部署と目線合わせしたうえで、具体的なユーザーアンケートや利用状況などの裏付けとなるデータがある場合は、をプレスリリースにも掲載することでより説得力と納得感のある情報となります。

ポイント4.配信時間の工夫

通常、プレスリリース配信に適した曜日や時間帯は、平日中日の火曜〜木曜日の10時〜15時といわれています。

参考:プレスリリースの最適な配信タイミングは?曜日・時間・時期を戦略的に決定して効果を最大化させよう

クラスでも、基本的には火曜〜木曜日の11時に配信していますが、新規プランや新機能追加の場合は社内連携のうえ、ECサイトの動作確認が完了したタイミングでプレスリリースを配信するケースもあります。

月曜日にECサイトの更新作業をした場合、火曜日にプレスリリースを配信してもよいのですが、せっかく動作確認ができてキャンペーンを開始するのであれば、その日のうちに発表しようと、何度か月曜日の17時にプレスリリースを配信したところ、複数メディアに掲載されました。

それ以降、自社ECサイトの新規プランや新機能追加については、自社にとって最適なタイミングで配信するようにしています。プレスリリースを配信する目的や発表する内容に応じて、適切なタイミングを図ることが必要なのではないでしょうか。

新規プラン提供開始に関するプレスリリース事例

クラスは個人向けと法人向けにサービス展開していますが、上記を踏まえて新規プランや新機能追加のプレスリリースを配信した結果、ToC、ToBそれぞれ複数のメディアで記事を掲載されました。その事例をご紹介します。

事例1.個人向け(ToC)事例

参考:【試してから、購入可能に!】家具と家電のレンタル・サブスク「CLAS」、待望の「あとから購入」できるサービスの提供を開始!!

こちらは、平日中日の火曜〜木曜日の10時〜15時の配信からあえて外し、発表する内容に応じたタイミングを図った事例です。

動作確認実施後の月曜日の17時に配信しましたが、複数メディアで記事が掲載され、Yahoo!ニュースにも転載、通常より多くのECサイト流入がありました。

参考:【もっと便利に。もっと使いやすく。】家具と家電のレンタル・サブスク「CLAS」、「いつでも返せるプラン」と「おトクにスタートプラン」選べる2つのプランに刷新!!

こちらは、発表する内容の背景や自社にしかないデータを盛り込んだ事例です。

なぜ新規プランを提供開始するのか、ユーザーアンケートや利用状況のグラフを入れて、具体的に提供開始の背景を説明しています。

事例2.法人向け(ToB)事例

参考:クラス、2025年大阪・関西万博に向け、所有物件を簡単に「家具付き賃貸」にできる「おまかせパッケージ」の提供を開始

こちらは、タイトルに関心ごとの高いキーワードや誰もがイメージしやすいキャッチフレーズを付けて配信した事例です。

不動産系メディアを中心に記事化され、プレスリリース経由で企業からの問い合わせも複数件ありました。

新規プラン提供開始プレスリリースをより効果的に活用する3つの広報施策

プレスリリースをより効果的にするためには、配信後の対応も重要です。

配信時の対応次第で、注目度や反響が大きく変わります。3つのポイントを押さえることで、プレスリリースの効果を最大化し、広報活動の成果をさらに高めましょう。

1.キャンペーンの同時開催

「新規プラン提供開始」の場合、動作確認後にキャンペーンを開始するケースが多いため、タイミングを合わせてプレスリリースを配信し、キャンペーン情報も掲載しています。

サービス以外でも注目度の高い発表をする際は、プレスリリースやメディア掲載で注目されるタイミングなので、広報担当者からキャンペーン実施の提案をすることもあります。

2.一次情報として、自社サイトにも掲載

プレスリリース配信後は営業活動などにも活用できるよう、必ずSlackで社内共有しています。

PR TIMESの配信に加えて自社サイト上にもプレスリリースを掲載。営業活動などで配信後に活用する際は、自社サイト上の掲載URLを社外共有して、自社サイトへの流入が少しでも増えることを意識しています。

また、広報側がどんな情報発信をしているのかを随時共有することで、社内に広報PR活動への興味・関心と理解を得られるように心がけています。

「プレスリリースのネタがない」「社内が協力してくれない」「理解してもらえない」などの悩みをお持ちの広報の方もいらっしゃると思いますが、まずはプレスリリースを通して、認知向上や問い合わせ増加などの効果を社内が認識することが重要。そうすることで自然と「この内容でプレスリリースを出したい」と、他部署から相談を持ち掛けられるようになるのではないでしょうか。

3.SNSで情報拡散

プレスリリース配信後は、自社公式SNSアカウントでシェア・拡散しており、必要に応じて、フォロワーの多い代表にもシェアするよう依頼しています。

ちなみに、広報で運営しているSNS公式アカウントはXとFacebookの2つなのですが、Xは一般消費者、クラスのユーザー、メディア関係者に向けた情報発信、Facebookは協業先、投資家に向けた情報発信と、目的を明確にわけて運用しています。

なお、PR TIMESのランキング入りを狙って、SNSではPR TIMESのURLをシェアすることが多いです。

まとめ:新規プラン提供開始時のプレスリリース活用法

既存サービスの新規プランや新機能追加は、特に成長段階であるスタートアップ企業にとっては貴重な情報です。

もしサイト上だけに掲載しているような状態でプレスリリースを配信していない場合、まずはどのようなニュースバリューがあるかリストアップしてみましょう。

プレスリリースで情報発信しているものの、メディア掲載につながっていない場合、単にプランや機能を追加したという事実だけの「お知らせ」ではなく、内容や配信時間を見直して、SNSでシェア・拡散するなどアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。

貴重な機会を見逃さず、自社のバリューとして情報発信できるよう、ぜひ広報PR活動に活かしてください。

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