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基本を押さえ自社らしさあふれるプレスリリース。ポイントは面白さ・共感・意外性|株式会社コウダプロ

プレスリリース配信サービスを運営するPR TIMESは、10月28日の「プレスリリースの日」に先立ち、10月26日にプレスリリースの可能性拡大に貢献した企業と担当者を讃える「プレスリリースアワード2023」を開催。2022年9月1日から2023年8月31日に国内で発信されたプレスリリースの総エントリー数、1,161件の中から11社10件が10部門受賞しました。

今回、紹介する株式会社コウダプロは、特別賞(各部門賞には当てはまらないが表彰したプレスリリースや発表者の行動を讃える賞)を受賞。審査員から「タイトルが秀逸」「クスッと笑える」「多くの企業に参考になる優れた内容」と評価されたプレスリリースを手がけた原口水月さんを取材しました。

株式会社コウダプロ(福岡県福岡市):最新のプレスリリースはこちら

株式会社コウダプロ 未来開発室 揚げ物革命事業部 事業部長

原口水月(Haraguchi Mizuki)

福岡大学卒業後、2019年に新卒でコウダプロに入社。同社としては初の新卒採用となる。幼い頃からの大の唐揚げ好きと商品開発に携わりたい思いが高じて、社長に直談判して開発した新商品「カラッとペーパー」の事業部長と未来開発室にて広報PR業務を兼任中。

未来を作り出す部署で担う広報PR

──最初に、原口さんが所属する未来開発室について教えていただけますでしょうか。

未来開発室はいろんな機能を持つチームであり、新卒採用やデザイン業務、IT関連、メディア「自治体四季報」の運営などと並んで、広報PR業務も対応しています。会社経営に直結するような喫緊の課題ではないものの、おろそかにすると自社の未来に影響する。そんな業務を担っています。

当社には、コウダプロ憲法というものがあるのですが、その中の条文に「浮きの一本」があります。未来開発室はコウダプロにおける「浮きの一本」を体現した部署なんです。

コウダプロ憲法より
コウダプロ憲法より

社内の生産性を上げるために必要なことは何でもするポジションですから、幅広い業務に対応することは必須。事業のタネが潜んでいることもありますし、事業になるかどうか判断がつきかねる着想段階の企画を調査することも、未来開発室の仕事です。

──「事業になるかどうかの判断」はどのように下されますか。

自社の判断基準は少々特殊です。というのも、良くも悪くも組織が小さいから「やる」も「やらぬ」も判断が早い。商品開発だけでなく、売り方についても同じです。

例えば、ママさん向けの商品を企画しているときに、社長が3人のママさん社員にヒアリングしてリアクションが良ければその商品はきっと当たると判断され、承認されたことがあります。「3人に刺されば何万人にも刺さる」というのが社長の考え方です。「大人のカレースパイス」も周囲の反応がとても良いものでした。社長が市場を見極める目は、非常にシビアです。

株式会社コウダプロインタビュー01

広報PRと並んで重要な「担当者の熱量」

──今後の商品開発に向けて、現在、取り組んでいることはありますか。

特定の人間だけでなく社内の誰が担当してもヒット商品を生み出せるような仕組み作りに取り組んでいます。再現性に注目し、ヒット商品が生まれるプロセスや条件をフォーマットに落とし込み、形式化する取り組みです。もちろんフォーマットがあるから売れるわけではなく、広報PRと連動した商品開発が欠かせません。

「カラッとペーパー」や「大人のカレースパイス」のように、熱意ある担当者の存在も絶対条件です。どれだけ優れたビジネスモデルや商品であっても、担当者に熱意がなければ当たらないことは経験済みです。コウダプロの社員はみな熱意は十分なので、今後はノウハウを共有して再現性を高めるためにも形式化が重要だと考えています。

──「担当者の熱量」によって商品の売れ行きが大きく左右する、と。

そうです。実際のところ、日本の飲みニュケーションを応援するサプリ「アスガール顆粒」の売れ行きが一時、伸び悩んだ時期がありました。打開策として、「アスガールを販売したい」と言ってくださった方に代理店のような形でお願いしたこともあったのですがなかなか成果には結びつかず……。

そのときに「担当者の熱量」の重要性に気付きました。どうしても私たち自ら販売するのと同じ熱量を持ってご活動いただくことや意欲に火をつけるのは難しいものでした。商品化や販売に対して熱量の高い人間が担当しなければ、売れるものも売れないのです。

株式会社コウダプロインタビュー02

仕事への向き合い方が変わった社長の言葉

──話は変わりますが、原口さんはご自身で企画、商品化・事業化したり、今回のプレスリリースアワードなど順調にお仕事に取り組まれている印象です。これまでに転機になったことはありますか。

コウダプロ初の新卒社員として入社しましたが、当時は自分が未熟だったこともあり、社長の考えがわからなくて戸惑うことが多々ありました。

転機としては半年ほど経ったころ。

社長と社員で話し合う機会があり、そのときに社長から「不信感を持っていてもいいことないからまずは信じたほうがいい。この世に会社は山ほどある。100%信じてみて、それでも裏切られたと感じた後に辞めればいい。行き先はいっぱいある。不信感を持ちながら働き続けるメリットはない」と伝えられたんです。

「本当にその通りだな」と感じ、その言葉を心底信じてみることにしたら、どんな業務も楽しくなって。新規事業を立ち上げたときとか、自社の広報PR活動が初めて新聞に取り上げられたときとか、ほかにもトピックはいろいろありますが、仕事への向き合い方が変わり、「気合が入った」という意味でこれが一番のターニングポイントでしたね。

広報PR活動は交流活動を意識

──そんな原口さんにとって、広報PRとは。

メディア露出や情報発信するだけにとどまらず、幅広い人脈を社外でたくさん作ることです。出先ではとにかくいろんな人と仲良くなること。新しい人に出会うとビジネスにつながる何か得られるかもしれないと考えますし、逆に友人に仕事を頼むこともあります。

いつどこでどんな出会いがあるか、どんな情報や人脈が役に立つかわからないので、オンオフの線引きはありません。そう言うとワークライフバランスは大丈夫か、ブラック企業なのかと思われるかもしれませんが、仕事も休日もぜんぶ楽しいのであえて線を引かない感じです。「この人、社長に会わせたら面白いだろうな」。そんなことばかり考えています。

現在、いろんな企業様とのコラボレーション企画も考えていますが、これも日々の広報PR活動の延長線上で生まれています。コラボ企画では、互いの商品価値、顧客満足を高めることが大前提にあり、成功すれば売り上げはもちろん認知度アップにもつながるので、とても有益な広報PR活動です。

株式会社コウダプロインタビュー03

プレスリリースアワード2023受賞|コウダプロの事例

──ここからはプレスリリースについてお聞かせください。プレスリリースを積極的に活用していると思うのですが、どのような目的で活用されることが多いですか。

プレスリリースの持つ信用力は高くて、特にメディアにアピールする際には最適な手段ととらえています。生活者が知りたい情報について検索した際にも、PR TIMESのプレスリリースが表示されると信ぴょう性が高いと感じられています。

メディアと生活者のどちらにも情報伝達でき、信用も得られるというのが、私たちがプレスリリースを活用する理由ですね。副産物ですが、就職活動中の学生さんがプレスリリースを見て信用できる企業だと判断するなど、採用活動でも役立っています。

事例1:タイトルに面白さと共感を。詰め込む、削る情報のバランス

──プレスアワード2023では特別賞を受賞。1,000件を超えるエントリー、その後の審査を経ての結果、あらためて、おめでとうございます。

ありがとうございます!こうした機会が設けられていることを知ったのも締め切り直前、思いつきの応募だったのでエントリーもギリギリ。ダメ元の応募だったんです。なので、受賞を聞いてまさかと驚きました。

受賞のポイントのひとつに、

審査員 株式会社テレビ東京「カンブリア宮殿」兼「テレ東BIZ」プロデューサー 小林史憲より(コメント抜粋)
開発した社員の写真には、「アラフィフで『しあわせ食卓事業部』所属」という、一見どうでもいい情報が書かれていて、クスッと笑わされます。
参考:総数1161件から10件受賞「プレスリリースアワード2023」コミック化プレスリリース、岡山県漁師や老舗靴下屋の挑戦

と、コメントいただいたのは、商品の魅力と同時に「コウダプロはなんだか面白い会社」だなと、狙い通りのブランディングを訴求できた点だと思っています。

株式会社コウダプロプレスリリース01

参考:“家庭内カレー問題”に終止符を打つ!甘口カレーを本格スパイスカレー味に変える「大人のカレースパイス」が4月4日(火)より発売開始 | 株式会社コウダプロのプレスリリース

──こちらのプレスリリースのこだわりやポイントについて教えてください。

まず、応募したプレスリリースは「大人のカレースパイス」と「カラッとペーパー」の2つだったのですが、5W1Hなどの基本は押えつつ、タイトルに言いたいことを詰め込んでいます。例えば、特別賞をいただいた「大人のカレースパイス」のタイトルでは「家庭内カレー問題」と表現して面白さと、共感を生むフレーズにこだわりました。

実は、どちらのプレスリリースも添削サービスを活用してみました。第三者目線で不要な情報を削ってもらったり、伝える順序やストーリーの構成を組み替えてもらったり、表現の仕方をレクチャーしてもらったり、添削前のものと比べて、随分変わったので活用して大正解でした。添削には、PR TIMESの勉強会にも参加したものもあります。

発信者は1~10を伝えたいけど、第三者から見るといらない部分を取る、トピックの入れ替え、タイトルをキャッチーにするなどを学びました。

そして、やっぱり担当者の顔を見せることは絶対ですね。「大人のカレースパイス」の開発者の社員の顔が見えることで、ここでも共感を持ってもらえると思っています。

株式会社コウダプロプレスリリース02

コウダプロの「しあわせ食卓事業部」所属の長倉さんのストーリーはこちらから
「人生をもっと良くしたい!」その想いで仕事に全力を捧ぐアラフィフ女性が「大人のカレースパイス」を作りました。|株式会社コウダプロのストーリー|PR TIMES

事例2:タイトルと画像で意外性を伝える

──入賞とはならなかったものの、「カラッとペーパー」のプレスリリースも印象的です。

こちらも「大人のカレースパイス」のプレスリリース同様に添削を受けていて、最初「唐揚げマニア」と書いていたところを「唐揚げ好き」に変更。シンプルに「好き」と表現する方が多くの方に共感いただけるとの助言でした。マニアだと定義があいまいな部分もあるので、こちらに変更したほうが信ぴょう性につながる結果となったと思います。

そして、「カラッとペーパー」のプレスリリースもタイトルがポイントです。タイトル冒頭「特許取得済み」で目を引くようにしています。特許取得という言葉が持つ説得力を活用するのと同時に、他社への予防線にもなると踏んでいます。

株式会社コウダプロプレスリリース03

参考:【特許取得済】揚げ物革命!唐揚げをいつまでも美味しく食べられる「カラッとペーパー」を新発売

事例3:タイトルに「実話です」で間接的に意外性を

──プレスリリースアワード応募作以外でも、プレスリリースのタイトルが目を引きますね。特に「実話です」とつけられているのは珍しいなと思いました。

そうですね。「アスガール」のプレスリリースのタイトル冒頭に「実話です」と書いたのは、やはりキャッチーにしようと。一般的には、コラボ企画の依頼を受けることはなかなかないことだと思うので、本当のことですと伝えたくて。こちらからの依頼でも仕込みでもなく、先方から依頼されたことをいの一番に訴えたかったです。

どのプレスリリースも、強調したい文言にすみつきかっこを用いるなどの工夫をしています。

株式会社コウダプロプレスリリース04

参考:株式会社コウダプロのプレスリリース|PR TIMES

コウダプロに学ぶ広報PRも「面白がる」姿勢

原口さんのお話から伝わってきたのは、商品開発における広報PRの大切さを十分理解し、ポイントを押さえたうえでビジネスライクにプロセス展開すると同時に「面白がる」姿勢でした。

その姿勢のもとで打ち出される広報PR活動のポイントは次の通りです。

  • チーム広報を支える「浮きの一本」という発想
  • 「プレスリリースの信ぴょう性」が商品力を裏打ち
  • 新商品をヒットへ導く「担当者の熱意」
  • マーケティングでは「身近な3人の意見」を重視
  • プレスリリースは「面白さ」「共感」「意外性」を大切に

担当者が面白がって広報PR活動を行うからこそ、発信されるプレスリリースにも購買層や読者を惹きつける魅力や説得力が備わります。さらにプレスリリースを効果的に活用することで信用性も高めている好事例の紹介でした。

なお、PR TIMES MAGAZINEでは、プレスリリースの書き方やメディアアプローチのポイントについても掲載しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

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